なにかと日本に似てきた中国の話
中国・アジアITライターの山谷剛史さんによる、こんな記事を読みました。
デフレ社会に突入した中国において、特に若者の消費指向が「コスパ重視」に変化しているというお話です。若者がとにかく安い予算での旅行プランを組んだり(今年の大型連休には、ホテルのロビーや駅の待合室で一夜を明かす旅行者が話題になりました)、安さを売りにした飲食チェーンやディスカウントストアが流行したりと、節約志向になっていることが見て取れます。
中国人といえば、消費に関してもとにかく派手で、特に「面子」のためであったり大切な家族のためであれば惜しみなくお金を使う、というイメージが定着しています。しかし、いよいよ鮮明になってきた不景気の波を受けて、そうした中国人像も変わってきているのかもしれません。特に若者はお金がなく、コスパ重視にならざるを得ない部分があるのでしょう。
個人的には、まだこうした人々のマインドの変化をそこまで強力に感じ取ってはいませんが、徐々にデフレっぽい社会になってきたなあとはよく感じます。
物価の上昇は特に今年に入って一通り落ち着いた印象だし(円安のせいでまだまだ割高感は感じますが)、上の記事の通り安さを売りにしたチェーン店なんて本当に増えました。紹介されている蜜雪冰城というアイスクリーム屋なんて、近所のショッピングモールでは中と外に2軒も入っています。それだけ人気なんでしょう。
それにしても、こうしたデフレの進行とそれにともなう消費マインドの変化って、まるで20〜30年前の日本にそっくりな気がします。日本人もバブルまでは馬鹿みたいに景気良くカネをばらまいていたように思うのですが、ひとたびバブルが弾けるとみな一様にケチくさくなりました。同様の変化が中国にも起きているように思います。
これまでは「無い袖でも無理やりにでも振る」ようなところがあった中国人も、ひょっとしたら本格的に「無い袖は振れない」時代に入り、日本のように急激に消費が萎縮していくのかも。そうなれば中国は日本と同じく受難の時代ですが、どうなってしまうんでしょうね。
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「中国が日本に似てきた」という観点でいくと、他にもいろんな部分で中国が日本っぽくなっていっている部分があるように思います。
それは社会構造という面でもそうですし、人々のマインドについても同様です。
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