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中国地下鉄の厳しい検査と、なぜそれでも普通に運行できているのかという話
中国では地下鉄や高速鉄道に乗る時に、まるで空港のような厳しい持ち物検査があります。
カバン類はコンベアにのせてX検査機を通さなければなりませんし、本人もゲート状の金属探知機を通る必要があります。そのほか係員が持っている探知機から警報が鳴った時は、ポケットの中身を出せと言われることもあります。まさに空港の保安検査です。探知機を通る時にカバンを持っていたりすると、「検査機を通せ!」と注意されます。
特に乗客の多い地下鉄でそんなことをするのは大変そうに思いますが、それでも各所の入り口にはそうした検査のためのゲートがいくつも用意されていて、それぞれの場所で常に2、3人の人員が検査を行なっています。通勤に用いられるような大都市の主要路線でもやっていますから、とんでもないマンパワーがそこに割かれているよな、と思います。
そしてこの荷物検査について、(たぶん)中国に特有なのが「喝一口」(一口飲め)です。
荷物検査の際、手にペットボトルの水や飲料、あるいは水筒などを持っていると、そこに入っているものを「喝一口」(一口飲め)と言われる場合があります。なんでそんなことをしなければならないかというと、可燃性のある液体やアルコールなどの持ち込みが禁止されており、それを確かめるためです。
要は危険な液体をペットボトルに詰めて、ただの飲み物だと偽って持ち込もうとする輩をあぶりだすためにそれが必要だということです。
中国に来たばかりの時、高速鉄道に乗ろうとしてはじめてこの「喝一口」に遭遇した時は、意味がわからず面食らったものです。ただその時はギリギリ「喝」という動詞を聞き取れたことと、周りの人が同じようにしているのを見てどういうことかを理解し、すぐに手に持ったペットボトルの水をちょっと飲んで事なきを得ました。
最近は水を直接飲ませるのではなく、専用の機械に通して検査をされることも多くなっていますが、この「喝一口」にはなんとなく、中国の独特の文化的な何かを感じます。
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かように厳しい、中国の鉄道に乗る際の検査ですが、ここまで読んだ方で中国での旅行・滞在経験がない人は、そんなに厳しくて大丈夫なのか、その検査のところで大渋滞が起きるのでは、と思った人もいるかもしれません。
しかし意外にも、この検査はスムーズに進んでおり、そこでメチャクチャに人が滞るようなことは、それほど多くありません。
なぜそれが可能なのかと考えた時に、もっとも理由として大きそうなのは、この検査にも厳しい時と、適度に手を抜いている時があるからのように思います。
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