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中国の違法コピーと、「字幕組」の功罪を語ろう

こんな記事を読みました。

映画「君たちはどう生きるか」が、中国で大ヒットしているようです。

僕はこの映画を未見だし、中国国内の情報にもあまりキャッチアップできていないので実態はよくわからないのですが、ものすごく難解な内容らしいのによくヒットしてるなと思います。実際、上の記事にもあるように、中国の観客もあまりの難解さに首をひねっているようです。

ジブリ映画、というかある時点より後の宮崎駿映画って、日本でもちゃんと意味をわかって見ている人ってほとんどいないはずなのになぜか大ヒットしてるので、日本と同じようなブランドとそれを活かしたマーケティング戦略がうまくいったのかな、ぐらいに見えています。

コピー大国としての中国と「字幕組」

さて、そんな話題の本筋とは別に、今日のマガジンでは上の記事から気になった部分について。

中国で最初に上映されたジブリ作品は日本より4年遅れの1990年に上陸した『天空の城ラピュタ』だ。『となりのトトロ』は日本公開から30年後の2018年、『千と千尋の神隠し』は18年後の2019年に正式上映がかなった。

 正規のルートでは上陸できなかったが、中国人の多くは2000年代からネットや海賊版を通じてジブリ作品に触れるようになり、宮崎監督のことをアニメ映画の礎を築いた第一人者と認知している。

上掲記事より

ここにある通り、中国ではかつて海外の映像作品を見られるルートが非常に限られていました。ジブリ作品などはその代表例で、多くの作品は長らく映画館で上映されず、近年まで動画サイトなどの公式配信もほぼありませんでした。

にもかかわらず、ジブリ映画が中国で日本に負けず劣らずの知名度や支持率を持っているのには、過去に共有されたコピーDVDや、ネット上の違法アップロードなどの存在を抜きに語ることができません。

多くの人が知っているように、かつての中国はコピー大国でした。ゼロ年代くらいまでは街にコピーDVDの店が点々とあり、それらに対する風当たりが強くなってからはインターネット上に違法アップロードが出回るようになりました。

僕が中国に本格的に関わるのは2015年頃からですが、その時点でもコピーDVD屋が細々と営業していましたし、動画サイトにはすでに違法アップロード版の海外作品が無数にありました。

特に顕著だったのは日本のアニメで、日本で放映された1時間後には字幕のついた「中国版」が流れるなどしていました。あまりの速さに公式がちゃんと権利を得てやっているものなのかなと思いましたが、調べるとやはり公式なものではなく、驚いた記憶があります。

また、そうした違法アップロードの作品の「普及」を支えていたものとして、「字幕組」という存在があります。作品のアップロードにあたって、中国の視聴者にわかりやすいように字幕をつける、ボランティアチームのようなものです。

その活動は多くの場合無償で(たまに制作した動画に勝手に広告を入れる不届き者もいたようですが)、「純粋なファン活動」であるという建前はあります。しかし、言わずもがなこれらは元の権利者の権利を大きく侵害する行為であることは疑いようもなく、まぎれもない違法行為です。

ただし前述のように、中国では外国作品に触れられるルートが非常に限られており、違法に共有されたこれらの「資源」がその後の中国での外国作品の人気を支え、今に至る旺盛な消費につながっていることもたしかに事実であり、評価が難しいところです。日本のアニメ産業などは、その中でももっとも大きな恩恵を受けている分野の一つでしょう。

以下、自分の考えを書いていきます。

開き直るな、大国としての自覚を持て

僕が思うことは、大きく2つあります。それは「自分で言うなよ」ということと、「いまの中国が同じことやっちゃダメでしょ」ということです。

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