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不安定化する中国と、僕の肩の凝る暮らし

1ヶ月ほど前に、昨今の「中国の治安が悪化している!」という世論の盛り上がりに対して、少し疑問を呈するようなマガジンを書きました。中国で凶悪事件が起きるのはいまに始まったことではないし、本当に治安が悪化しているかどうかにはもう少し慎重な判断が必要なのでは、という内容です。

しかしこれを書いた後にも、中国では同様の事件が起き続けています。つい昨日も、新たに起きた暴走自動車による無差別殺傷事件のニュースが流れてきたばかりです。

どのくらいこういった事件が多いのか、ひとつの目安として、中国の日本領事館から送られてくる注意喚起メールの数があります。9月に起きた深圳での児童殺害事件より向こう、この2ヶ月弱では領事館から、こうした無差別殺傷事件に関するメールが5件も届いています。

中国に住んで10年間ほど経ちますが、こんなことは初めてです。

領事館とて、特に深圳の事件以降はこうした事柄に敏感になっているというはあると思うので、これをして「無差別殺傷事件の急増」が事実かどうかは断定できません。ただ、それでも在外公館レベルの情報であり、国として注意喚起をするに足る程度の情報が最近は集まっているのだなということが理解できます。

やはりこういうものを見せられると、体感的には不安を感じずにはいられないし、目に見える形で社会が不安定化してきているのでは、という考えがどうしても頭をもたげてきます。

たぶん前回のマガジンを書いた時には、僕は中国がこんな極端な形で不安定化しているということを信じたくなくて、一歩引いた視点でこうした事件を見ようとしていた部分がおそらくありました。

ただ、世の中に不満を持ち、それをあまりにも極端な形で暴走させてしまう例というのは、やはり増えていると言わざるを得ない状況ではあるのではないかと思います。

いま中国の社会は、こうして暴走する個人に対して、それを穏当に抑えるだけのものを与えられていない。だから、基本的にはこうした事件が起きる確率は以前に比べて大きく上がっている。そう思っておいたほうがいいと、認識を新たにしました。

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そう認識したうえで、これからどう中国と向き合い、ここで暮らしていくのか。最近はそんなことをよく考えます。

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