見出し画像

ワンオペコーヒー店で感じる、中国の「人削り」の時代

先日、初めてコッティコーヒー(COTTI COFFEE、庫迪咖啡)というコーヒーチェーンの店でコーヒーを飲んだんですね。

コッティコーヒーとは、2022年に創業した新興のコーヒーチェーンです。中国ではコーヒーが普及するようになって久しいのですが、チェーン店としてはまずスタバが進出してきて爆発的に広がり、その後ラッキンコーヒー(Luckin Coffee、瑞幸咖啡)という国産チェーンがスタバよりも廉価なコーヒーチェーンとして、これまた急激に増えました。

そしてこのコッティコーヒーは、ラッキンコーヒーよりもさらに廉価で手軽にコーヒーを出すチェーンとして広がっているようです。僕が飲んだ時は、29.9元のコーヒーが初回割引9.9元で飲めました(最初にタダ同然の割引をして認知度を急激に高めるのは、中国のサービス展開にありがちな手法です)。

店舗の形式もちょっと特徴的です。多くの店舗では座席をほとんど設けず、最低限のキッチンスペースといくつかの小さい椅子・テーブルだけが置いてあったり、ガラス張りの小さな休憩スペースのような小屋を建てて営業しているところが多いようです。店舗というより、椅子が申し訳程度に置いてあるコーヒースタンド、といった方が近いかもしれません。

そんなコッティコーヒーに初めて行った時に驚いたのは、店員さんが一人しかいなかったことです。おばちゃんの店員が一人でレジ(といっても注文も会計も客がスマホで自分でやるのですが)と、ドリンクの調理をすべて担う形で回されていました。日曜の昼間でもそれだったので、たぶんこの形で完結しているのでしょう。

そんなCOTTI COFEEを見て、僕は中国もいよいよ「人削り」の時代に入ったのかな、と思いました。

ここから先は

1,429字
この記事のみ ¥ 300

いただいたサポートは貴重な日本円収入として、日本経済に還元する所存です。