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「中国モデル」は世界を席巻するのか

昨日書いた、いまの中国の行動指針である「中国式現代化」についてのマガジンがいつもに比べてまったく読まれず、悲しくなっております。

「中国式現代化」のヒキのなさというか、これまでの中国で採用されてきた「社会主義核心価値観」などのスローガンと比べた場合の、ミームとしての弱さがうかがえます。大丈夫なんでしょうか。

そんななかで不安なのですが、今日もこの「中国式現代化」に少し関連する話を書きます。

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ジャーナリストの王志安さんが、まさにこの「中国式現代化」についての動画を出していました。

この動画の中で王さんは、「中国式現代化」の本質とは「独裁体制の維持(西側的民主主義への拒否)」、「市場主義経済を援用した、経済発展を最優先とする政治」、そして「少数派の多数派への服従」という3点から述べています。

すべて西側的な価値観と対立するものに見えますが、実際に中国はこれらの価値観をもといとしたままここ数十年で急速な発展を遂げ、日本を追い抜き世界第2位の経済大国にまで上り詰めました。中国の成功は、これまで支配的だった西側的価値観への挑戦であると王さんは言います。

そして王さんは、今後このような「中国モデル」の発展方式が世界に輸出される可能性について触れています。

西側的な政治・経済体制を採用した国でも、なかなか経済成長や国としての発展が実現できていないところはたくさんあります。とすれば、イギリス・アメリカ的な民主主義・資本主義のモデルが唯一の正解ではないのではないか、という疑問を抱く国が出てきます。

「中国式現代化」はそうした国々のための一つのよき成功サンプルになり得る、と王さんは言います。西側モデルを捨て、中国のやり方を真似するようになる国や地域が今後、増えてくるのかもしれません。

王さんは、本当にそうした国が増えるかどうかは、中国がこれからも持続的に発展を続けていけるかどうかにかかっている、と動画を締めくくっています。

以下、この「中国モデル」が世界で広く受け入れられる可能性について考えてみたいと思います。

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