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台湾の選挙に挑む香港人と、パラレルワールドの日本の話

昨日に引き続き、台湾の選挙にまつわる話です。

台湾の選挙に関するニュースをいろいろと見る中で、こんなものに目が留まりました。BBCの中国語版からです。

香港の元議員が、台湾の議会選挙に立候補したという話です。

背景として、台湾にはいま香港からの移民が大きく増えています。その原因のひとつは、2020年の国安法の施行後、大陸中国の影響が強まり、香港を離れる人が増えたことです。彼らはもともとの宗主国であるイギリスのほか、地理的・文化圏的に近い台湾を選ぶ人も多いということのようです。

いっぽうで、香港人が移民として台湾で生活するには居留許可などの面でハードルが高いらしく、困難を抱える香港人の代表として、こちらの元議員さんが立候補した、という流れだそうです。

ご本人は選挙活動中のインタビューで、「当選するのは無理だろう」と自分で言っています。実際に選挙結果を見てみると、氏は立候補した選挙区で得票数を集められず、落選しています。でも、人々に台湾における香港人の問題に目を向けてもらうことには意義があると考え、行動を起こしたということです。

僕はこのニュースを見て、立派な人がいるもんだなあと思うと同時に、少しの複雑な気持ちも抱きました。

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