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流行となった「献忠」事件のその先

「またか」という言葉が口をついて出てきました。

江蘇省の職業訓練校で、刃物を持った男が暴れ8人が死亡、17人が怪我をした事件が起きました。こうした無差別殺人事件の報道は、ここ数ヶ月でもう何度目になるでしょうか。

ただ、今回の事件は少しこれまでと違っている部分があるようにも見えます。

まず、犯人の動機が少し弱いこと。これまで報じられてきた事件には曲がりなりにも経済的に食い詰めていたり、社会的に危機的な状況にあったりと、犯人に同情は絶対にできないものの、そこに至る機序はロジックとして理解できるような背景が同時に(表の報道には出ないものも含めて)伝えられていました。

しかし今回の犯人に関しては、学校を卒業できなかったことと、現職(インターン?)の給与に不満があったことが動機だと伝えられています。

もちろん具体的な状況は本人あるいはそのごく近い周囲にしかわかりませんし、凶行を起こすに至るようなこともあったのやもしれませんが、表に見えていることだけから判断すれば、そんなことで何人も殺すだろうか? と思うようなものであることは否めません。年齢も若く、人生詰んだとか可能性が閉ざされたというにはあまりに早すぎるように思います(これまで報じられてきた事件では、犯人はほとんど中年以上の男性です)。

次に、この事件がこれまでと少し異なるのは、中国国内での報道の扱いです。これまで、この手の事件の情報は基本的に秘匿されるというか、積極的に報道が出されない傾向にありました。しかし体感も含めてですが、今回についてはほぼそういうことはなく、普通の事件として報道されており、情報を取るのも比較的容易なように見えます。SNSでもこの件についての規制が起きたりはしていないように見受けられます。

こうした背景から、個人的に推測したことは——こうした事件が中国においてある種の「流行期」に入ったのではないか、ということです。

どういうことか、以下に書いていきます。

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