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何をキレイだと思い、何を汚いと思うか。日中衛生観念の違い

こんなツイートを見かけました。

フルスイングでうなずいて、首ごと飛んでいきそうです。

衛生観念ということでいえば、基本的に日本の方が敏感で中国はおおらか(婉曲的表現)というイメージがあり、それは大筋では当たっているのですが、細かく見ていくとそれだけでは片付かないところもあります。

今日はそんな衛生観念の日中差について書いてみたいと思います。

家の中か外か

中国の人々は下着を洗濯機に入れて洗うことを嫌い、他の服と分けて洗う場合が多いのですが、その時に用いられる「なぜ洗ってはいけないのか」というロジックは人によってさまざまです。

そのなかでも特徴的なのは、「外の汚い空気に触れた服と、肌に直接触れる下着を一緒に洗うと、下着に汚いものが回ってしまう」というものです。このロジックにもとづいて下着を手洗いしている人がけっこう多いのですが、日本人にはあまりピンとこないのではないでしょうか。

この「外から菌や汚いものを持ち込むべからず」「家の外と中は厳格に分けるべし」という考え方は、中国人にとってけっこう根強いです。上のツイートの「外気に触れた服を即座に洗濯したい」もそうですね。我が家でも、外から帰ってきたままの服で家の中をウロウロしていると、嫁は露骨に嫌な顔をして「さっさと着替えて」と言います。

また、嫁が前に日本のドラマを見ていて、「疲れ切って家に帰ってきた主人公のOLが、ベッドに身を投げ出すシーン」を見て、強い抵抗感を示したこともありました。いわく、外の汚いものをつけたままベッドに入るなんてありえない、とのこと。この辺りは日本人同士でも議論になるようですが、日本ではドラマのシーンになる程度には受け入れられているのに対し、中国ではそうではないということなのかもしれません。

中国の人々はざっくりと、「家の外=誰が何をしたかわからない、汚いもの」「家の中=きれいなもの、または外からの汚れを徹底的に遮断すべき空間」と考えているようです。なんとなくですが、「ウチ」と「ソト」で態度を変える中国人というのにもつながる話かなと思いました。

洗えばオッケーか、そうでないか

食べ物に関わるあれこれは、衛生観念の差が顕著に出ます。以前、乾燥しいたけの戻し汁や、スーパーで買ってきた生肉の扱いについての我が夫婦の意識の違いをnoteに書きました。

この他にも、象徴的な出来事がありました。結婚してまだそれほど経たない時期に、スーパーで生魚を買おうとした時のことです。

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