中国では政治的拘束より、マンホールに気をつけましょう

今日はこのツイートについて考えてみましょう。

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いま「中国に留学したい」という学生さん、どれくらいいるんでしょうか?

そもそもかなり少なそうな気がしますが、そういう志を持った学生さんがいるなか、周囲から反対されるケースが多いのであれば、悲しい話です。

親や親族としては子の安全が何より心配でしょうし、反対したい気持ちになるのは理解できます。「かわいい子には旅をさせろ」といいますが、旅をする先は安全であってほしい、危険が疑われる場所には行ってほしくないと思うのは当然でしょう。

ただ、その反対する理由が「当局に拘束されるリスク」というのは、少しピントがズレた心配のように感じます。

上のツイートでも言及されているとおり、一介の学生が不当な拘束を長期間受ける確率はほぼ皆無に等しい、といっていいのではないかと思います。

おそらく心配をする親や周囲の人が心配しているのは、定期的にニュースになるような、突如として本人と連絡がつかなくなり、長期間にわたって動静がつかめなくなるような「政治的拘束」でしょう。

しかしこれを受ける可能性があるのは、何らかの理由で国家機密に近づいたり、特定の団体・人物の利益を損ねると判断された人、あるいは反体制活動をおこなう「外国勢力」とみなされた人などに限られます。普通の人がそういったことに巻き込まれる確率は、数学的にはもちろんゼロとは言えないわけですが、かなり低いのではないでしょうか。

その他、外国人であるという理由で面倒な取り調べを受けたりする可能性はありますが、それらが生命や社会生活に支障を及ぼすものになるということも、あまり考えにくいのではないかと思います。

違法行為(売買春、ビザ外のバイトなど)をしない、不必要に目立たない(SNSなどで不用意な発信をしない)、リスクのありそうな場所(軍事関係など)に近づかない、という常識的なことに注意するだけで、これらのリスクのほとんどは回避できます。

このあたりに関しては、ルポライターの安田峰俊さんが過去に記事にしています。

日本の報道やSNSの断片的な情報、あるいはそれを又聞きした市井の人々の噂話レベルであれば、中国はわけのわからない、何が起きてもおかしくない国に見えていることでしょう。

たしかに中国で起こることには、基準が不透明で不気味な部分が多く存在しますし、中国はわけのわからん国だと言われれば僕も全力で同意します。とはいえ、「何が起きてもおかしくない」というのにも限度はありますし、よく知らないままにリスクだけを過大評価してしまうのも、また違う話です。

リスクを正しく見つめ、対処可能なものとして捉えることも必要なことでしょう。

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さて中国には、政治的拘束よりもよっぽど身近で遭遇しやすく、かつ重大な危険をもたらしうるリスクが存在しています。

そのひとつは、マンホールです。

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