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上着を6枚着ていた甥っ子と、「世話焼き」な中国の親たちの話

松井博さんの、子育てに関する記事を読みました。

いろいろと考えさせられる話が書かれているのですが、なかでもアメリカの保育園では寒い日に薄着だろうが、暑い日に厚着だろうが本人の選択に任せているという話が印象的でした。子供の自主性を尊重し、意思決定の責任を自分で取らせるという意味でそうしているところがあるようです。

そしてその話を読んで、僕は先日の中国嫁の実家、つまり義実家での出来事を思い出しました。

ド厚着の甥っ子と大人たちのリアクション

甥っ子(6歳)とのゲームにも飽き、外に遊びにいったときのことです。ショッピングモールの前の遊具で駆け回ったり、広場でサッカーをしたりしました。

すると、僕も甥っ子もすぐに汗だくになりました。僕は迷わず来ていたセーターを脱ぎ、小脇に抱えました。甥っ子も暑そうにしているので、上着を脱ぐ?と聞くと、素直に応じる甥っ子。しかしそこで驚いたのは、甥っ子の着込みっぷりです。

甥っ子が一番上に来ていたウインドブレーカーのような上着を脱ぐと、中から薄手ではあるものの、モコモコしたダウンジャケットが現れました。

そしてまだ暑そうにしているので、「そのダウンも脱ぐ?」と聞くと、ダウンも脱ぎ始める甥っ子。ぴっちり閉じられたファスナーを開けると、中からネルシャツっぽい襟付きのシャツが出てきました。胸のところからは、これまた薄くはなさそうなトレーナーがのぞいています。

この時点でおいおい着すぎだろ、と思ったのですが、もしかしてと思って「そのトレーナーの中に何枚着てるの?」と聞くと「2枚」と答える甥っ子。

つまり甥っ子は内側からインナー×2→トレーナー→ネルシャツ→ダウン→ウインドブレーカー、と6枚もの重ね着をしていたのです。もちろん何を着ていてもいいし、寒かったので6枚ならありえない範囲ではないかとも思うのですが、幼少期に冬でも半袖短パンの体操服で過ごしていたタイプの僕からは想像できませんでした。

で、さらに驚いたのが、その後の大人たちのリアクションです。

そのままウインドブレーカーとダウンジャケットを脱いだまま一緒に帰ったのですが、家に着くなり甥っ子のお母さん(僕から見た義姉)とおばあちゃん(僕から見た義母)が「なんで上着を着てないの!」とすっ飛んできて、僕が持っていた上着をひったくり、瞬く間に甥っ子に装着しなおしてしまいました。そして、「なんでこんな薄着にさせるの!」と僕も怒られてしまいました。

そこではまさに、子どもが寒い時に薄着でも放っておくという、アメリカの子育てとは正反対のことが起きていました。

「世話焼き」な中国の大人

中国の親たちは、何かにつけて子どもの世話を焼きたがります。

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