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あなたの手に届いたそれは、誰かの苦労の結晶である。中国からの輸入をめぐって考えた話

Twitterで、以下のような内容の書き込みを見かけました(諸事情により、リンクは貼りません)。

その人はとあるアパレル製品を、中国から輸入代理店経由で購入しようとしていたらしいのですが、数ヶ月単位で注文した品が届いていないそうです。代理店によると、中国でのゼロコロナ政策の影響で物流が止まっており、商品はすでに製造者の手元にあるが発送ができない、今後いつ発送できるのかもわからない、と説明されたそうです。

その人は「発送できる見込みがないのなら、なぜ注文を受けつけるのか」「この状況は予測できなかったのか」「なんでもコロナのせいと言えばいいと思っているのか」「こんなに発送されないのなら、お金を返してほしい」と、お怒りの様子でした。

また、その製品と同じジャンルのアパレルメーカーで、同じく中国で製造している別の会社で注文したものは届いたのに、そのメーカーだけ何ヶ月も届かないことにも納得がいかないとのことでした。

僕は、「あー、なるほどなあ」という気持ちでこの書き込みを見ていました。今日はこれについて書いてみたいと思います。

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この人の言いたいこと、理解はできます。

たとえば日本のちゃんとした販売業者に商品を注文したとして、最初に約束した時から納期が伸び、しかも結局いつ届けられるかわからないなどと言われたら、そりゃ「金返せ!」となるでしょう。

また、問題が予測できたのであれば、そのことを顧客側に説明し、納得してもらった上で注文を受け付けるべきではないのか……というのも、まっとうな意見ではあります。その意味で、この人の言っていることはある程度スジが通っているとは思います。

しかし、それはあくまで日本の商習慣などに沿ったルールの中での話です。

僕にはその注文を受けた代理店の側や、中国で製造販売をしているメーカーの気持ちが、なんとなくわかってしまいます。

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