「トイレの張り紙」に見る中国と日本の違い、そして日本らしさの話

こんなツイートを見かけました。

这个厕所也有我们公司的员工使用的情况 #中国語狩り pic.twitter.com/BOrPNP1KOU

— 山谷剛史 中国アジアＩＴライター（💉×２） (@YamayaT) December 30, 2021

日本の駅のトイレの前に、社員やスタッフが同じトイレを使うことに関する張り紙があったのですが、そこに英語・中国語・韓国語の多言語表示がしてあります。

その中国語の部分が「这个厕所也有我们公司的员工使用的情况」というものになっています。少し中国語をかじった人ならわかりますが、これはかなり不自然な表現に思えます。非常に直訳的で、「意味はわかるけどさあ」という感じです。おそらくは機械翻訳（察するに数年前のもの）を通したものでしょう。

日本の観光地などにおける多言語表示は「破綻している」として問題視されたり、ときに揶揄されたりします。

個人的には多言語表示自体はもちろんやったほうがいいし、自動翻訳レベルでもないよりはマシだと思っています。実際、国外で暮らしてると破綻した日本語でもなんとなく意味はわかったりするし、助かることもあります。反面、やるならやるでもう少しちゃんとしたほうが、ホスピタリティが正しく伝わるのにな……と思うこともあります。

それはさておき、じゃあ中国語ネイティブだったら上の「スタッフがトイレを使うことがあります」をどう書くのかな？ と思い、中国人である嫁に画像を見せながら聞いてみた……のですが。

嫁には、「そもそもこれを書く意味がわからない。そりゃスタッフの人だってトイレくらい使うんじゃないの？」と言われてしまったのです。