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突然の台湾有事は、「ゼロではない」かもしれないけれど……

最近、「台湾有事」がトピックとしてよく取り上げられます。Twitterのトレンドに上がっているのもよく見かけますし、ニュースでもよく流れてきます。

その焦点は、中国による台湾への武力侵攻は起きるのか、起きるとすればそれはいつなのか、ということに集まっているようです。まさに日本の真隣で起きるかもしれない有事ですから、関心が高まるのはごく自然な流れではあると思います。

ただ、最近はあたかもその「有事」が間近に迫っているかのように煽るものも増えてきています。そのせいか、中国が明日にでも台湾に侵攻するのではないか、今日にでもミサイルを打ち込むのではないか、というイメージを持っている人が出てきているように思います。

僕のマシュマロにもこんなメッセージが来ました。

専門家でもない一介の中国在住者である僕には、台湾有事の可能性というのは重すぎるテーマです。いっぽうで在住者として、中国や台湾のことについて自分ごととして関心を持ち、自分なりに情報を集めたり、考えたりしているとは思います。

今日はその立場から見えていることや、普段触れている情報をもとに、いまの自分の「台湾有事」への考え方について書いてみたいと思います。あくまで非専門家、野良の中国在住者のいち観点であることに留意しながら、読んでいただければと思います。

現実的な可能性

「台湾有事」については個人的に、もちろん可能性としては排除できないものの、現状において中国がみずから武力をもって台湾に侵攻するような可能性は高くなく、ましてやそれが直近で起こるようなことは考えなくてよい、と思っています。

以下に、そう考える理由を書いていきます。

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