少子化が急激に進む中国、それにともなう嫌な想像
フォロワーさんのツイートから、衝撃的なことを知りました。
それは、中国のSNS(微博)でのある投稿についてのものでした。以下はスクショです。
そこには本文と、中国における年ごとの出生数のグラフが貼られています。まず、本文の内容はこうです。
ついこの間、中国では2022年の出生数が1,000万人を割り、956万人しかいなかった(同時に人口が減少に転じた)ということがニュースになったばかりです。
2023年の「800万人割れ」が本当なら、実に前年比約17〜18%というとてつもないペースでの減少です。最後の「進学が楽になるだろう」というのは、もちろん皮肉です(見たところ投稿主は、社会問題を評論するインフルエンサーのようでした)。このことは人々の注目を集めているようで、この投稿は2万回以上リポスト(Twitterでいうリツイート)され、1,000件を超えるコメントがついています。
はっきりした出典が示されない「内部情報」なので、その信憑性については疑問が残ります。本当に出生数が800万人を割るのかどうかは、まだわかりません。
しかしいっぽうで、それが事実である蓋然性が高そうだと思わせるのが、一緒に貼られているグラフです。
これは直近の10年間の中国の出生数(単位は万人)の部分を切り取ったものです。2014年に一人っ子政策が緩和され2人目の出産への負担が小さくなったその後の数年間をピークに、2018年あたりからはほぼ毎年100万人以上のペースで出生数が減少しています。2019年から2020年など、約260万人の減少です。これを見ると、前年の956万人から800万人割れとなっても、まったくおかしくないように思えます。
中国で予想以上に急激な少子化が進んでいることは前々から明らかになっていて、対策が取られようとはしています。代表的なのは2021年に3人の子どもをもうけることを認め、「一人っ子政策」を事実上廃止したことなどがあります。そのほか各地では、子どもをもつ家庭への補助金などを実施している場所あります。しかし数字が示す通り、それらはまだ目立った効果を挙げていません。
こうなると、中国の未来について嫌な想像が頭をもたげてきます。
それは労働人口や税収の不足、社会保障の崩壊など、ほか先進国でも起こっている少子化による問題が短期間のうちに中国を襲うようになる……という意味においてもそうなのですが、そこには中国に特有の事情を加味した、別種の不安も含まれます。その「別種の不安」というのは、
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