健康コードが操作された? 河南省での地方銀行預金トラブルの謎
中国の河南省で、けっこう大変なことが起こっているようです。日本でもニュースになっています。
4月の中旬ごろから、河南省にあるいくつかの村鎮銀行(地方信用金庫のような金融機関)にお金を預けている人が、預金を引き出せなくなるトラブルが発生しています。支店はすべて閉鎖され電話も繋がらず、オンライン手続きも「アップグレード中」と称してすべての取引を停止。こういったことが、複数の系列の村鎮銀行で同時多発的に起こったといいます。
当然、預金者たちは抗議しようとします。しかし、各銀行の本社ビルなどに抗議に訪れた人々が特に理由も告げられず(おそらくはコロナ対策を名目にして)ホテルに連行、隔離されるなど、理不尽な目にあっています。
極めつけに、預金者の健康コードが操作された疑いが出ています。健康コードとは中国でコロナ対策に使われている、個人の感染リスクを可視化・管理するためのアプリのようなものです。感染が多い地域などに滞在するなどリスクのある行動を取るとコードの色が変わります(緑→黄→赤の順に高リスクとみなされる)。コードの色が黄や赤である場合、特定の施設や公共交通機関が利用できないなどの行動制限がかかります。
この健康コードについて、省外にいた預金者が抗議のため河南省に入ったところ、それまでなんらリスクのある行動をとっておらず、またPCR検査の結果も陰性だったのに、とつぜんコードが赤色になってしまったというのです。預金の名義人だけがピンポイントで赤になっていることから、預金者の行動を制限するために恣意的にコードが操作されているのではないか、という声が上がりました(現時点では元に戻っているようです)。
聞けば聞くほどメチャクチャな事件なのですが、以下に自分なりにこの件に感じる雑感を書いてみたいと思います。
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この件に関して、不可解な点が二つあります。
それぞれ述べていきます。
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