中国人との結婚で感じる孤独。「結局あんたもそっち側」のつらみ
先日、日本にお住まいの日中夫婦の方のツイートを見かけました。
どうやら投稿主本人は日本人の女性で、中国人の夫さんの両親が家に滞在した時に、その文化の違いから大変な苦労をしたようです。このほかにも、義両親の滞在中のいろいろなふるまいに消耗したツイートの数々がありました。
僕も中国人の配偶者をもつ身として、ああ、わかるわかる……と読んでいたのですが、そのなかでも一つのツイートが特に目にとまりました。
ああそうだ、中国人との結婚ってこういうことがツラいんだった……というのを思い出したので、書いてみたいと思います。
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中国人との結婚に際して問題になりやすいのは、本人どうしよりも家族のことで
す。
文化の違いや習慣の違いは、本人どうしであればすり合わせができます。簡単に結論が出ることばかりではありませんが、まがりなりにも好きどうしで一緒になった2人ですし、話し合ったり妥協しながら一緒に進んでいくことは可能です。
パンツが手洗いだということについて揉める日中夫婦はたくさん知っていますが、それが原因で離婚した日中夫婦は聞いたことがありません。
ただ、両親をはじめとした家族がこれに絡んでくると、そうは言ってられない場面も出てきます。「ウチ」の規範が何よりも強い意味を持つ中国人にとっては、家族内は絶対的な味方であり、その中での自他境界は非常に曖昧になります。
上のツイートの「皿を割った義両親」の話で言えば、投稿主ご本人は義両親といえども一定の距離感を持った「他人」なので、自分の所有物を割ってしまったのならせめて謝ってほしい、と思いました。
対して義両親のほうは、息子の嫁のものをダメにしてしまったからと言って、それは「ウチ」の中で起きたことであるので、謝るようなことではない、となります。極論すれば自分のものを壊してしまったのと同じだし、家族内で謝るなんてむしろおかしなことだ、というような感覚なのだと思います。
こう書くとまるでジャイアンのような傲慢さに見えますが、義両親のほうには「お前のものは俺のもの」という悪意すらなく、それをあまりにも当然のこととして内面化しているので、話が通じないのです。
加えて現代では、こうした感覚の違いが世代差によって大きくなっている部分もあるでしょう。中国において、いまの現役世代の親にあたる世代(祖父母世代としましょう)は、いうなれば高度成長や近代化よりも前に価値観が形成された世代です。
中国では先進国化が急激に進んだため、その感覚の差は中国人どうしでも埋め難いものになっているのに、それが日本人の現役世代と中国の祖父母世代ともなるとどうなるか。あまりの常識の違いに度肝を抜かれ、消耗するようなことが山ほど起きるのは、想像に難くありません。
こうして中国人との結婚の多くは、その家族との軋轢に悩まされることになりがちです。
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ただ、それだってずっとのことではないですし、たまに消費カロリーの高いイベントがあるだけだと割り切れば、それなりに耐えることもできたりします。不謹慎かもしれませんが、「義両親との間でこんなことがあった」というのは、話のネタにもなりますしね。
ただ、その過程でまたツラいのが……そうして配偶者家族との摩擦が生じた時に、当の配偶者がまったく味方になってくれず、むしろ「なんでそんなに文句ばっかり言うの」という態度でこちらと接してくることだったりします。
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