海外に来てから「SIMロック」という概念に気がついた情弱の話
全然知らなかったのですが、日本でスマートフォン(及び携帯端末)のSIMロックが原則禁止になってたんですね。
SIMロックとは、特定のSIMカードでなければ通信ができないよう、端末にかけられているロックのことです。日本ではこれまでほとんどの端末に特定のキャリアのSIMカードのみしか受け付けないロックがかけられていたかと思うのですが、それがなくなるということです。また、将来的にはすでにロックがかかっている端末のロック解除も義務化されるようです。
今は大手キャリアの独占への規制や乗換え推進によって通信費を下げようという圧力もあり、このような流れになっているみたいです。まあ、消費者の権利を制限するものには間違いないですし、よいことです。
しかしこの「SIMロック」と聞いて思い出すのは、自分が中国に来た時の情弱っぷりです。以下に思い出しながら書いてみます。
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日本から中国に来た当初、僕はこのSIMロックについて全くわかっておらず、日本から持ち込んだiPhone5sのSIMカードを現地のものに入れ替えて使うつもりでいました。この時点で結構アホなのですが、どうか見放さず続きを読んでください。
スマホがないと何も始まらないと考えていた僕は、かなり早い時期にパスポート片手に街の携帯電話ショップに行き、当時全然できなかった中国語と中学生以下レベルの英語を駆使してなんとかSIMカードの契約を済ませました(当時は根性があったのだなあ。今同じことをやれと言われても多分無理です)。
そして手渡されたSIMカードを自分のiPhoneに挿入すると、そこには「このSIMカードは使用できません」的なメッセージが。
この時点でSIMロックの存在を知らなかった僕は、瞬間的に「ダマされた!」と思ってしまい、店員に画面を見せながら大声で文句を言いました。しかし、そもそも中国ではSIMロックなど一般的ではないため、店員も何が何やらわかりません。カードを抜き差ししていろいろ試すものの、一向に使えるようにはなりません(それはそう)。
その間、ダマしたんじゃねーか、使えないSIMカード渡しやがってとギャーギャー騒ぐ僕。今思えば本当に恥ずかしい。向こうから見ればアタマのおかしい外国人でしかありません。
しかし店員のほうも負けてはおらず、別の端末に同じカードを挿してみて通信できることを確認したら「やっぱりお前のiPhoneの方がおかしいんじゃねーか!」と一喝されました。うん、彼が100%正しい。しかしその当時の僕は納得がいかず、その後も不毛な押し問答を続けました。
結局話が進まなくなって家に戻り、改めて調べてみて日本のスマートフォンにおけるSIMロックの存在を知りました。愕然とし、日本で行われている「囲い込み」的な内向き商売に憤る僕。そしてさっきの店員に対する申し訳なさ。
日本から持ち込んだiPhoneは使えないのだと悟った僕は、結局その揉めに揉めた携帯ショップに再び赴き、かの店員とは目を合わせないようにしながら(ごめん)、別の店員から小米の安めのスマートフォンを買って使うようにしました。iPhoneはWi-Fi環境でのみ使うようにしていたのですが、後に白酒を飲み過ぎた時に紛失しました。
ああ、当時ちゃんとSIMロックについて理解していて、小龍さんのところのSIMフリー化サービスを知っていれば店員と揉めることも、わざわざ追加でスマホを買うことも、iPhoneを紛失することもなかったのに(紛失は関係ない)。
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まあ、こんなどうしようもない人間でもその後中国にそれなりの年数住んでやっていけているのですから、人生意外となんとかなるもんだと勇気を持っていただければ幸いです。s
みんなは海外に出る時はきちんと下調べしようね。それではまた。
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