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返品が簡単すぎるのも考えものだな、と思った話

引っ越しから10日余りが過ぎました。最初はなんとなく借り物っぽく感じられた新居にも慣れてきて、だんだんと「我が家」ができあがりつつあります。

そうした「我が家」感の向上には、自分たちで新しいものを買って導入していることも寄与しているように思います。

基本的に中国の賃貸は、据えつけられている家具をそのまま使うことで問題なく生活できますが、とはいえ自分たちの個性も出したいものです。そんなわけで細かいところではキッチンの収納から、大きいところではカーテンなんかを自分たちで新たに買ったものに変えていっています。家をどんどん自分たちの色に染めていくのは、けっこう楽しいものです。

ただそんな楽しい作業のなかで、ちょっとこれはどうなんだということがひとつ起こっています。今日はそんなお話を。

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新居で買い足そうとしているものの一つに、ソファに敷くシーツがあります。

新居にはわりと立派なソファが置いてあって(トップ画像)、自分たちで掃除もしてすでに使える状態にはなっています。しかし嫁が「前の人が使っていたものに直接座るのはイヤ」ということで、上にシーツなり布みたいなものを敷いてから使いましょう、と提案してきました。

僕は別にきれいに掃除すればそんなに気にならないけどな、と思いましたが、まあ自分たちが汚してしまっても大家に悪いしということで、その提案に乗りました。

で、嫁がネットショッピングのアプリでそのシーツ探しを始めたのですが、こういうことになるとうちの嫁はなかなか決められません。こっちは色がいいけどサイズが、これは良さそうだけど聞いたことないメーカーだし云々、といってなかなか決心がつかないようです。

僕に「どれがいいと思う?」とは聞いてきますが、そこで「これがいいと思う」といったところで嫁は「えー私はこっちの方がいいと思う」ときます。古来から男女間の問題として存在する、服を選ぶ時のアレと同じです。正直めんどくせえ。

そんなやりとりをしつつ、選び始めてから2日(!)くらい経ってようやく一つのシーツを選び、注文しました。

すると翌日、さっそくシーツが届きました。中国はネットショッピングが発達しているので、大抵のものは(住所や買ったものの出荷場所にもよりますが)1日か2日もすれば手元に届きます。現代文明さまさまです。シーツ選びに迷った時間もこれでチャラです。

届いたシーツを開封し、とりあえずソファの上に広げてみます。うんうん、まあ悪くないんじゃないか。これでようやくソファが使えるようになるぞ。

じゃあ、さっさと洗濯機に入れて洗うとするか……とそそくさとシーツをたたもうとする僕の手を、嫁がやおら静止してきました。そして「なんか違う」と言い始めてしまったのです。

そしてたたんだシーツを洗濯機に入れるのではなく、それが送られてきたときの箱に戻して、「返品しましょう」と嫁は言い始めました。スマホで手早く返品の手続きを始める嫁。もう僕は多少納得がいかなかろうが別にこれでいいんじゃね、と思っているのですが、妥協が苦手でこだわりの強い嫁には許しがたいようです。

ほどなくして集荷のおっちゃんが来て、届いたばかりのシーツを持っていきます。そして嫁はまたアプリと睨めっこを続け、また1日ほど悩んだ挙句、新しいものを注文しました。

——というやりとりを、すでに2回繰り返しています。要はその次に来たシーツも嫁は気に入らず、さっさと返品してしまったのです。いまは3枚目のものが来るのを待っている状態です。

おかげで引っ越ししてから10日あまり、まだ僕は新居のソファに座ることはできていません(正確には座ったっていいのですが、嫁に「汚いから座らないで!」と怒られます)。

せっかく現代文明のおかげで注文したものがすぐ届くというのに、その恩恵に預かることが全然できません。どうしてこうなった。

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ところで、開封したうえに商品自体には問題がないのに、返品なんかできるの? と思った人もいるかもしれません。

中国はネットショッピングの返品のハードルが非常に低く、特に理由もなく返品する権利が消費者に保障されています。

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