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最初の一歩

私が書くことは辛い、暗い、悲しい体験です。まるで出口のないトンネル。
それでも、私の人生は良いと思います。

それが良いと言えるのは、最悪な場面をある程度抜け出たからかもしれませんし、外灯さえないまっ暗闇の夜空だからこそ、小さな星たちがはっきりと見えることを綺麗だなと感じることに似ているからなのかもしれません。

お家で虐待を受けていた幼少時。心の内側で叫んでました。怖くて誰にも言えなかったけれど、同級生のお母さんが密かに届けてくれた唐揚げの味は、今でも忘れられません。声なき声を聞ける大人になりたいと思い始めたのはその頃です。

異国の仕事でのパワハラ。2時間の説教部屋から出てきた私に、隅でそっと貝殻のカケラを手渡してくれた同僚。故郷の青い海を思い出し、二人で泣きました。人の成長を温かく促し、明るく未来を切り開けるような組織を作りたいと思いました。

家庭内だけのはずのDV。サイコパス気質の相手から逃れても、子どもを人質にとられた裁判での精神的、経済的な暴力が続きます。振り絞って出した声さえ、差別と偏見によって掻き消されました。「被害者が強くなるしかないの でしょうか?』

すぐに助けてくれる人は周りにはいません。この人災は孤独な闘いなのです。でも「独りじゃない」。そう感じられたことが、私に生きる力をくれたと思います。

あの一番辛かった場面を想い、目を閉じます。わずかでも、寄り添ってくれたモノ、音、動物、自然、人・・・、それらが流れ星のようによみがえります。

人生には思いがけず大きな穴に落ちることがあるものです。
書きたいのは、その穴に落ちた者の苦しみ。
掘られた穴に落ちた誰かに寄り添ってあげることについて。
深く暗い穴にもかかわらず、そこから這い出ることができるという希望について。日々感じていることを、穴に落ちた者の一人として書き残していきたいです。
一歩ずつ光に向かえますように。

読んでくれてありがとう。

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