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教えない授業(中学3年数学)

昨年度から自分なりに教えない授業に取り組んでいる。


①授業の中で教師が話す時間は10分以内

単元の初めに単元についての見通しを持たせる。今回の単元の目的や目標についての確認やなぜ学ぶのか、どんな事に繋がるのかを2.3分で話をした。
授業の初めには本時の授業で定着させたいポイントを簡単に説明。方法などは特に教えず、自分たちで考えて学んでいく。

35〜40分ぐらい自由に学ぶ時間を確保し、授業の最後10分程度で解説や補足説明を行う。

自由に学んでいる時間で、プリントの答えの板書やJUMP問題(難易度の高い問題)を書いておくことで、塾に行っている生徒も飽きない様な工夫をする。

②机椅子の移動は自由

一人では学んでも良し、グループにしても良し、仲の良い友達のところで学んでも良しにしている。ただし、仲の良い友達同士でお互いに「分からないよねー」と言いながら話をしてても意味がないので、目的意識を持って移動する事を何度も確認をした。

③人の自由を奪わない

授業の全てが自由な訳ではなく、方法については自由にしている事を確実に伝える。伝わっていない場合はその都度伝える。
考えている最中に思考を妨げたり、教えてしまったりする事は、今の時代いじめに繋がるので、人の自由を奪わない様に、確認しながら進めてもらう。

④学ぶ手段は何でも🆗

以前普通に教える授業をしていた時は、教科書を自分からめくり読む生徒は本当に稀で、指示をしないと開かない状態であった。しかし、教えない授業にしてから子どもたちが自分から教科書をめくり読み解き、学ぶための手段として用いている。
教科書以外にはYouTubeを活用して学ぶ生徒もいる。
Googleサイトを活用して単元毎の動画のリンクをホームページ上に記す事でアクセスしやすい状態にしている。また、すべての単元で使用するプリントをPDFにしてアップしてあるので自分のペースで先に進むこともできる。

進度も理解度も差がある教科のため、早い生徒は6時間で進める内容を1時間で終わらせ、残りの時間は予習や復習、レポート作りの時間にしている。

AIドリル(ドリルパーク)を活用して進める生徒もいる。小学校の範囲から学び直しが必要な生徒はAIドリルを活用して自分のペースで学んでいる。

⑤困っている仲間がいたら助けてあげるが、助けてほしいと言われてからにする。

前述した事にも重なるが、仲間が学んで考えている時に邪魔をしない事、解らない問題がある場合には自分から質問する様にうながしている。

教室で集まって学ぶからには仲間とともに学ぶ事も大切にしたい。友達に教える事で自分がほんとうに理解しているのかの確認にも繋がる。

相手にわかりやすく説明する力や困った時に助けを求める力は今後の社会で必要になると思う。

⑥授業中のトイレなどは報告だけで良い。

自己決定を意識している。授業中にトイレに行ってもいいですか?や持ち物を取りに行ってもいいですか?などは一切やめて自分で決める事にしている。ただし、報告だけはお願いしている。



感想


この方法にして、生徒は最初戸惑うが、意外と自分で学ぶ事のできる環境に満足している様子である。一部の生徒は学び方がわからず手が止まってしまったりぼーっとしていたりする事もあるが、その子達には教師がサポートに入ればよい。

本校の校長は、teacherからfacilitatorへ教師もアップデートし、より生徒が学びやすく探究しやすい環境にしていく事を求めている。すべては子どもたちのためにを合言葉に今後も授業のアップデートをしていきたい。