クラフトビール飲み比べおやじ、爆誕
コロナ禍でサウナにハマった人。カレー作りに目覚めてしまった人。楽器を始めた人。
人に会う機会がめっきり減って、そんな中新しい趣味を見つけた人が自分の周りに割とたくさんいて、例外なく自分も始めてしまったものがある。
クラフトビールの飲み比べ。
元々は、スーパーで売ってる大手のラガーやよなよなエールみたいな手に入りやすいクラフトビールの飲み比べをして、日常的に飲むビールを決めようというのが目的だった。
気がつけば飲んだのが300銘柄(国産240の海外60)を超えていて、普段飲みするビールが概ね決まった後もまいうーなビールの探求が続いてしまっている状況にある。
生活圏内のスーパーで売っているクラフトビールは大体飲んでしまったので、ネットでお取り寄せをしたり、品揃えに力を入れてる酒屋にわざわざ行ってみたり、終いにはビアバーに酷い時で週1で通ったりするほどになっていた。我ながらここまでビールを愛しているとは思わなかった。
ということで、今まで飲んだ300銘柄ものクラフトビールの中から、特に惚れてしまった10選をご紹介させてください。だめー。
1.BIG DIPPER / 忽布古丹醸造(北海道)
GAME CHANGER / 忽布古丹醸造(北海道)
北海道でホップをモリモリ自家栽培しているブリュワリー。国内では私の最推しのブリュワリーでもあり、これまで飲んだビールの中で最も感動した、いや、感動なんて言葉では語り尽くせぬ、世の中にはこんな美味しいビールがあるのかと、涙ががポロリと溢れて舟唄を歌い出すくらいの代物だった。
BIG DIPPERが他のビールと違うのが、飲んだ瞬間に南国系のトロピカルな香りが口の中で爆発するように広がること。まとわりつくようなとろみのある口当たりと、お口の中で祭りが開催されたような高揚感で、飲んだあともしばらく余韻に浸ってしまうくらいに美味しかった。
GAME CHANGERが凄いのが味。最近ビール職人の間で流行ってるらしいKveikという酵母と、モザイクという最高品質のホップを使っている良血馬のサラブレッドのようなビールで、甘味、酸味、苦味が折り重なって、盆と正月と推しの生誕祭が一度にやってきたような贅沢な味わいを楽しめる。今までに飲んだことのないような味わいで、ビールの究極とはこれなんじゃないかと思ってもいる。
どちらも限定銘柄でおそらく二度と飲めないだろうけど、ここのブリュワリーは限定銘柄を出すペースが尋常じゃなく早いので、同じ系列のビールが発売したときは漏れなく飲むようにしてる。定番のupopoやnonnoもはちゃめちゃに美味しいので、北海道物産展やこだわりある酒屋で見かけたら是非飲んでもらいたいです。この二つの銘柄はこれまで飲んだビールの中でも3本の指が入る…指に入るくらいに夢中になりました。
2.PUNK IPA / BREWDOG(スコットランド)
中学生のときに、ギターを教えてくれた友達から「これ聴いてみて」と渡されたMIX音源のMDの中に入っていたハイスタのSTAY GOLDを聴いて、なんだこれは…!!となったあの瞬間に似た感動があったビール。まさにビールの初期衝動。
スコットランドのブリュワリーで、ビール好きの中ではもはや定番となってる銘柄。グレープフルーツのような味わいと抜群の喉越しの良さ。そしてガツンとくる苦味。駅ビルの高級スーパーとかナチュラルローソンなんかで買える手の届きやすさと価格帯(最近円高で少し値上がりしたけど)で、当初目標にしてた普段飲みするビールを決めることの結論の一つがこれになりました。そして何より名前も最高じゃないか。
ブリュードッグだと、PUNKを少し飲みやすくした定番のDEAD PONY CLUBも美味しいので、見かけたら是非飲んでみて欲しいです。
3.鞠花/COEDO(埼玉)
関東圏だけかもしれないけど、近所のスーパーに行けば大体売ってるこれ。とにかく安いしどこにでも売ってるから、うちでは食卓に並べるビールに勝手に認定している。
同じIPAでもPUNKほどガツンとくるアルコール度数や苦味はないんだけど、飲みやすく柑橘系の香りも良く、何杯でも飲みたくなる喉越しの良さ。大体の肉料理に合わせられる器用なビールでもある。くたくたに疲れたあと、あービール飲みてぇ!ってなったときに真っ先に思い浮かぶのがこれ。自分の中ではPUNKと双璧を成す普段飲みビール。
ビール業界でもこれが発売されたとき他社がザワザワしたそうで、昔小江戸ビールに勤めてた人にも話を聞く機会があったんだけど、やはり鞠花だけは別格みたいなことを聞いたくらい。ヤオコーコラボのピルスナー(水色)もすんごい美味しいので、小江戸ビールとは今後とも末永くお付き合いしていきたい所存です。
4.CIAフルーツジュース/麦雑穀工房(埼玉)
COEDOと同じく埼玉のブリュワリー。雑穀とかスパイスを使ったビールを定番にラインナップしているかなりとんがったブリュワリー。
エール系のビールではホップの香りを果物に例えることが多いけど、このビールは南国系の果物のピューレを材料にしてホップの香りをむりやり強める荒技を使っている、そんなイメージ。ひでじビールの「九州クラフト日向夏」みたいなフルーツビールの仲間ではなく、とんでもないホップの香りとジューシーな味わいが楽しめる不思議なビール。飲んだ瞬間のなんだこれ感は未だに忘れられない。
雑穀工房のビールは県内ですらなかなかお目にかかれず、ビアバーかビアフェスみたいなところでしか飲めないけど、変わった銘柄が多くてしかも美味しいから凄い好き。
5.国産桃ヴァイツェン / 箕面ビール(大阪)
国内のクラフトビールの中ではかなり有名な大阪のブリュワリー。夏限定の銘柄で、発売日にはオンラインショップがなかなか繋がらなくなる程の人気商品。
和歌山県産の桃がビール本来の美味しさを損なわない隠し味程度に含まれており、ほんのりした桃の香りと瑞々しさと、箕面ヴァイツェンのキレの良さがご結婚されたかのようなダブルで美味しいビール。
同じく箕面ビールのゆずを使った「ゆずホ和イト」という銘柄もこれまた絶品。ビールとフルーツのバランスが絶妙な商品を作るのに長けており、定番商品はどれもドリンカブルで美味しいので、普段ビールを飲まない人にまずお薦めするのが箕面ビールだったりします。箕面にNegicco観に行ったときにはまだ箕面ビールを知らなかったのが悔やまれる。
6.Go Go Sour / B.M.Bブリュワリー(宮崎)
最近一部のビールオタクの中で流行っているらしいスムージー系のビールで、南国フルーツをどっさり入れていて、超濃厚なうえにトロトロな舌触りも楽しめる変化球どころか魔球のようなビール。
ビアバーで隣に座ってた人も同じのを飲んでいて、「朝に飲みたいビール」と的を射た感想を仰っていた。新婚旅行で行ったモルディブの朝に飲んだ色んな果物を搾ったジュースを思い出して、これ飲んでる瞬間だけ南国リゾートにいるような雰囲気を楽しむことさえもできる。
これも限定銘柄でもう飲むことができず、そもそもスムージー系のビールは二次発酵がどうたらで流通が難しく樽でしか飲めないそうです。また飲みたいですね。
7.サイドアイズペールエール / ミッケラー(デンマーク)
シャレオツなラベルデザインでお馴染み、デンマークのブリュワリーのミッケラー。
このビールが凄いのは飲みやすさ。桃やマンゴーのようなホップのフレーバーが香り、苦味が軽めでそれでいて味も良いので、身体中に浸透するかのようにゴクゴク飲める。部活でしこたまランニングした後のアクエリアスの如くゴクゴク飲める。温泉入った後にこれがあると極上の幸せを体験できるかもしれないので、次旅行するときにはこれ忍ばせて行くと決めている。
行ったことないけど渋谷にミッケラー直営のバーがあるので、散々ライブを楽しんだ後にこのペールエール飲みに行きたい。
8.ホクトジャパニーズピルスナー / 八ヶ岳タッチダウン(長野)
麒麟一番搾りを開発した人が立ち上げたブリュワリーで、長野の山々から湧き出る天然水と自家製ホップから作るなんとも贅沢なビール。
ホップがほんのり香り、雑味がなくスッキリしていてキレもよく咽喉も抜群。タッチダウンのピルスナーは一通り飲んだけどこの銘柄が突出して美味しかった。水が綺麗だからなのかわからないけど、国産のピルスナーでこれほどまでに瑞々しいビールはないんじゃないかと。
エール系に比べて製造工程で一手間かかり品質管理も難しいラガー系に力を入れているブリュワリーは何を作っても美味しいのではないか、という持論を提唱するきっかけとなったビールでもある。実際ピルスナーを看板商品にしているブリュワリーのビールは間違いない。
9. SHIGA KOGEN HELLES!? / 志賀高原ビール(長野)
ビールを飲み比べているうちに、食べ合わせに面白さを見いだすことができた。ヴァイツェンであればお魚料理、IPAは肉料理、スタウトはアイスクリームなど、料理にビールを合わせることでお互いの美味しさが引き立つ組み合わせが間違いなく存在する。
このビールはそんな料理とのマリアージュをコンセプトに作られたもので、どんな料理にも合う、競馬でいうのなら芝もダートも走れてマイルから長距離までなんでもこいの変幻自在のG1ホース。ビールとしての主張は決して強くなく、かといって海外の安ビールのような水っぽさもない。ビールそのものではなく食事そのものを楽しむことができる唯一無二の縁の下の力持ちな銘柄。
ここの志賀高原ビールは他にもイチローズモルトの樽で長期熟成して作った「THE FAR EAST」も美味しかった。ビアバーで見かけたら真っ先に飲みたいブリュワリーの1つになりました。
10.正気のサタン / ヤッホーブルーイング(長野)
日本のクラフトビール界におけるハイスタ、ヤッホーが最近発売した微アルコールIPA。
セッションIPAと言われても出されても恐らく気が付かない程に微アルを感じさせない味わい。そもそもノンアルの類が全然好きじゃないんだけど、飲めないときにこれが出てきたら凄く嬉しいビール。これまでに大手が発売してきたノンアル類が全部過去のものになったといっても大袈裟ではないと思う。エール系の微アルなんてそもそも飲んだこともなかった。
日本でこれだけ美味しくて安く全国規模で展開できるのヤッホーくらいで、ビアバーのマスターなんかもヤッホーの新作が発売すると真っ先に買いに行くみたいです。クラフトビールの入り口でもあり帰ってくるところでもあるのが凄いかっこいい。よなよなエールもたまに飲むとすんごい美味しいし。
番外編 シカゴピザ / DEVILCRAFT(東京)
ビールじゃなくて、ピザ。
シカゴピザを提供するブリュワリーで、ピザとクラフトビールのどっちが本業かよくわからないけど、神田にあるバーで出てくるここのピザがとんでもなく美味しい。
どっさりのった具材と濃厚なチーズ、これがビールとめちゃくちゃ相性が良い。そもそもピザの生地があまり好きではない自分にとって、生地と具材のバランスのバランスがおかしいこのシカゴピザがドンピシャでハマってしまい、ここの自社ビールも美味しかったんだけどピザが衝撃的だったことしか思い出せない。
以上、ボテっ腹ビールおじさんでしたー。
ばいばーい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?