経済モデルはモデル、経済構造を数式化して、経済変数間の関係性を単純化して表しているにすぎない。つまり、現実世界では、他の複雑な要素がいろいろ絡み合って、経済モデルとは異なる消費行動が現れる。
例えば、価格pのとき、価格に反応する量をf、需要数量d をd=f(p) というモデルで表したとする。これは、株式市場のようにほぼ完全に需要と供給で株価が決まる場合を除き、需要供給曲線通りの消費者行動がつねに起こるわけではない。
なぜなら消費者は、
・すべての販売者の価格を知らない。
・それぞれの販売者に対する支払い意向が異なる。
・それぞれの商品に対する支払い意向が異なる。
つまり上のモデル、d=f(p)のfは商品、購入者セグメント、販売場所(販売者)の組み合わせによって異なるのだ。需要は、その組み合わせごとに異なる結果となる。だから「価格を上げた結果、販売数量が落ちた、価格を下げた結果、販売数量が増えた」を鵜呑みにしてはいけない。
まず、
なぜ、顧客は商品を選択しているのか。
なぜ、顧客はそこで購入したのか。
顧客の消費者余剰はどのくらいあるか。
これらを具体的に検証する必要がある。その上で、どのような価格調整によって販売数量、もしくは利益をのばせるのか、の戦術を考えるのだ。