ママJのホームステイ体験ー辛くても楽しい留学
今日は自分の意思や失敗からではないのにホームステイ変更を3回することになっても楽しい経験ができた高校生のお話をしたいと思います。
高校2年生の女の子、マリちゃん(仮名)がカナダ留学で1年間滞在しました。
彼女は「積極的な性格では無いけど調和の取れるタイプ、妹がいる、基本は前向きな性格で英語力は初級よりちょっとマシ程度、でもこの1年間で英語の力を身に付けてたくさん友達を作りたいと言う夢」がありました。
最初のホームステイ先はシングルマザーと娘さん2人と言う家庭環境で小さい犬が2匹いました。お世辞にもあまりきれいなおうちではなかったですが、ホストファミリーは彼女のことを快く受け入れて楽しくスタートしました。
ところが約1週間ほど経った頃から少しずつ相談を受けました。マリちゃんのお部屋がベースメントと言って半地下にあったのですが、小さい窓が上の方にあるので、まるで「牢屋のようなお部屋」と言っても笑っていました。さらいにピンクのカーテンとピンクのライト、、、「キャバレーみたいですね」と笑ってたところまではよかったのですが、部屋の隅や壁に数匹蜘蛛がいました。。。何度退治しても次に日にはまた蜘蛛が現れます。半地下という涼しい環境は蜘蛛が大好きな場所です。幸い彼女は虫嫌いではなかったので、1匹づつ対応していきました。が、更にキッチンには使った食器が溢れて汚い状態が続き、ゴミ箱の周りにはハエが飛んでいます。さらに小さい犬がきちんと訓練されていなかったのか時々おしっこが床の上にあって何度か間違って踏んでしまいました。本人は「まだ大丈夫です報告だけです」と言いつつ、、、
やはりおうちの環境が少し汚かったために衛生面を考えて1ヶ月後に移動することになりました。
そして2番目のホームステイに移動。
こちらは「お父さんとお母さんと同じ学校に通っている娘さんと小学生の息子さん」がいました。お母さんが毎朝学校へ車で送ってくれると言う素晴らしい環境になったために「移ってよかったなぁ」と感謝しながら再スタートすることになりました。
しばらくするとおうちの様子が思っていたのと、少し違うことに気づきました。実はこちらのご夫婦消えた関係が長い間続いており、お母さんとお父さんは時々子供たちの前でも口論することがありました。お母さんはお父さんがいない時には電話や子供の前でお父さんの悪口を言いました。お父さんは家族全員で過ごすのを避けるようにしていましたが、やがて別居することになりました。この決断はお母さんにも精神的に影響出て、ふさぎ込んだり急に怒ったりすることが増えました。残念ながらこういったことに遭遇することがあります。また新しいホストへ変えた方がいいのでは?と思い始めた頃に、お母さんは「あなたはここにいていいのよ」と最初は優しく言ってくれたのですが、やはり環境的にも暗い雰囲気の状態が続いたので、学校の判断で移動することになりました。
このことを伝えたらお母さんの態度が急変しました。
「あなたはもうここを出ていくのだから、私は面倒を見る必要は無い。自分でご飯を作って自分で学校に行ってください」
マリちゃんはお母さんの態度が冷たくなって悲しくなりました。
もしかしたら私が悪かったのかな。。。?」とまで気を遣ってくれました。
普通なら「どうして私はこんなひどい目にあうのでしょうかあー辛いです。。」と言って泣くことが多いですが、マリちゃんは「お母さんも辛いと思います。私がいるとさらにつらいおもいをするのかもしれません。お母さんは最近いつもソファーの上で泣いてます」とお母さんを守る言葉もあり優しい子だなと思いました。このような状況になることはあまりありませんが、ホストファミリーにもいろいろんなことが起きて状況が大きく変わることと重なることもあるのです。
マリちゃんは、翌週無事に3度目のホストファミリーへ移動することができました。3度目のホストファミリーはお子さんが2人居る40代のご夫婦家庭で、お母さんはヨーロッパからの移民の方でした。お母さん自身も移民で苦労なさったため、マリちゃんのことを我が子のように受け入れてくれました。
こちらの家にはいつも家族のお友達が遊びに来て、いつも小さいパーティーが行われていました。お母さんは時々彼女だけを連れてお茶にも連れて行って来れました。いろんな国から来た友達がたくさんできました。
マリちゃんはこちらのファミリーに最後までお世話になりたくさんの友人を作り、英語力もものすごくアップして、別れを惜しみながら帰国しました。
「今回の留学でいろんなことがあったけど、全て過ぎて振り返ってみたら、自分はとてもラッキーだと思いました。だって3件も違うホストファミリーと出会えて一緒に住めたんですよ! たくさん友達もできたし、英語で話すことができるようになったし、ママJも助けてくれた。辛いこともいっぱいあったけど過ぎてしまえばみんないい思い出です。ありがとうございます!」
と言ってくれました。1年後のマリちゃんは大きく成長してきこくしました。
留学は来てみないと何が起きるかわからない。
マリちゃんの場合は1度目も、2度目も彼女のせいで移動をしたわけではないから、そのことを恨んだり怒ったりすることもできたはず。でも問題が起きたときにマリちゃんは1度も相手のことを悪くはい言いませんでした。
辛い状況の中でそれを辛いと思わず静かに蓋をして、次の道へ進んでいけば新しい道がひらけていく。そして気がつくと前向きで素敵な道を歩いているのです。
今マリちゃんは日本の大学で英語と世界経済を勉強しています!
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