日常の光で人工光合成
こんばんは。
ようやく残業が終わって、とっくに日付が変わっているタイミングでこの記事を書いてます。
今日は「日常の光で人工光合成」というお話です。
こちらのプレスリリースについてです。
人工光合成をざっくり説明
人工光合成とはその名の通り、光合成を人工的に引き起こすことです。
具体的には光エネルギーを使って、水素などの物質を生成する技術のことです。
植物の光合成には2つの反応があり、
水を酸素と水素に分解する「明反応」と、
生成された水素と大気中の二酸化炭素からデンプン・ブドウ糖などの糖質を合成する「暗反応」
があります。
人工光合成によって水素エネルギーをつくることができ、また二酸化炭素を資源化することもできるため、SDGsを踏まえると今後も注目が集まる技術になっていくと思われます。
そんな人工光合成に必要なデバイスが『光触媒』です。
代表的なものに酸化チタンTiO₂というものがあります。
「光触媒」は上述した光合成のように、光エネルギーを吸収してそのエネルギーを使って水素などの資源を生成します。
ちなみにこの「光触媒」を発見したのが、東京理科大学の藤嶋昭さんです。
当時大学院生だったそうです(スゲっΣ(゚Д゚))。
光触媒の開発が重要
少し脱線しますが、光触媒はエネルギーを作ること以外にも、抗菌や脱臭などの汚れ防止にも使われるので、建築物の壁や屋根、ガラス、他にもトイレや新幹線のぞみ号の空気清浄機にも使われています。
では肝心のエネルギー分野での活用はどうか?というと、こっちは全く見通しが立っておりません。
なぜなら、光触媒を使った人工光合成の効率は、0.1%程度(2018年時点でのデータ)にとどまるからです。
実用化には最低でも10%以上が必要とされています。
なぜ、こんなにもエネルギー効率が悪いかというと、利用できる太陽光エネルギーに制限があるからです。
太陽の光にはエネルギーの違いがあり、それによって光を分類します。
引用元https://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/section1/02.html
太陽の光はさまざまな種類の光が含まれていますが、上記の「光触媒」については、上の図の紫外線より下(X線とかγ線とか)の光しか使えないという弱点があります。
太陽の光のほとんどは可視光線ですので、使える光が少ないため人工光合成の効率が低くなります。
※他にも要因はありますよ!
そこで可視光線でも人工光合成ができるデバイスの開発が行われています。
可視光でも利用ができるようになった!
今回の研究論文は「可視光線でも人工光合成ができた!」という内容です。
しかも面白いのは、新しい特別な物質を発明したのではなくて、ごくありふれた物質を組み合わせただけで、それを可能にしたところです。
また、人工光合成に関してより詳細なメカニズムの解明にもつながる、と考えられています。
人工光合成の技術は新しいエネルギーの創出や、温暖化対策の技術としても注目を浴びています。
そういえばビル・ゲイツさんも温暖化対策のビジネスに力を入れていましたので、人工光合成の技術にも力を入れてくれるかなー?、と期待しています(笑)。
それでは本日は以上となります。
最後までお読みくださり、ありがとうございましたー。
引用サイト
https://www.tbsradio.jp/369370
https://toyokeizai.net/articles/-/235204?page=1
【おまけ】
環境ビジネスは今後ブームになってくるんじゃないかなー、と思います。
書きながら思いついたアイディアですが、環境ビジネスにはテクノロジーの他にも、エンタメの要素を取り入れてストーリーを発信していくと、なんか面白そうな気がする。