「ネイティブみたいな」発音って本当に必要?
1. はじめに
突然ですが、わたしはとあるオンライン英会話サイトで英語教師のアルバイトをしています。
その際によく生徒さんが「発音が良くなりたいです!」や「ネイティブのような発音になりたいです!」とおっしゃっています。
わたしはこれを聞くと少しもやっとします。
その理由は2つあります。
2. ネイティブみたいな発音ってなに?
1つ目は、英語に正しい発音はなく、「ネイティブ」の人たち自体がそれぞれ異なるアクセントを持っているからです。
もっとも代表的な例はアメリカ英語とイギリス英語だと思います。両者の発音はかなり異なります。余談ですが、イギリス人はアメリカ英語を毛嫌いしている人もいます(笑)。
日本人は基本的にはアメリカ英語に慣れていると思います。わたしも、アメリカ人にほとんど日本のアクセントがないと言われるほどアメリカ英語が定着しています。
なので、イギリスに1年留学していた際に、なんでもズケズケとものを言い合える関係のイギリス人の友達から「どうしてそんなにアメリカンアクセントなんだ!?」と嫌がられました(もちろん冗談でですが笑)。このように「正しい」英語の発音などは存在せず、実はネイティブも自分が生まれた土地のアクセントの英語を喋っているのです。
3. アクセントがあるって素晴らしい!
2つ目の理由は、自国のアクセントがあることが誇りという文化もあるからです。1つ目の理由はどこででも言われている事実ベースのものでしたが、2つ目のものは少し感情ベースになります。
これまたイギリスに留学していた際の出来事ですが、イギリス人の両親を持つフランス人の女の子がいました。フランス在住でフランス語が第一言語ですが、親がイギリス人のためフランスアクセントのないイギリス英語を喋っていました。その子に対して、イギリス人が「フランスアクセントがなくて残念じゃないの?」と、聞いていたのです。
要するに、綺麗なイギリス英語を話せるよりもフランス語なまりの英語の方がいいと思っているということです。海外ドラマにおいてもこのようなことを示唆するセリフもたまに目にします。
そして、他のヨーロッパの留学生、たとえばイタリア人やスペイン人も、母国語のアクセントそのままで喋っていました。そして、それがなんだか魅力的で個性があってよかったんですよね。日本人だけ発音のことばっか気にしているのがなんだかアホらしいなと思った瞬間でした。
4. まとめ
もちろん、相手に伝えるという観点で、ある程度の発音の良さや正しさは求められると思います。言語なので、伝わらなければ意味はないですし。ですが、発音を気にしすぎるのはどうなのでしょう?
「わたしの日本語なまり?素敵でしょ?セクシーでしょ?これがわたしよ!!」と堂々といえるような日本人が増える方がいいなとわたしは思っています。