台湾風習:清明祭のお墓参り
沖縄出身の方にとって見慣れる景色だと思いますけど。
台湾と沖縄の風習は近いですから。
地方や民族次第、お墓参りの作法はそれぞれですから、あくまでウチ、或いはこの土地でよく見られる作り方だと思っています。
『え?お墓の前に食事?!』
むかし、お墓の前にピクニックまたは飯を食うって言ったら、友人、特に海外のかたはびっくりしました。うん、確かに海外から見れば想像できないですよね。これから、順番でこっちのお墓参りの流れを紹介しましょう。
まず、漢民族の場合、お墓参りの日はお盆じゃなく、清明の日です。
清明とは春分(しゅんぶん)後の旧暦十五日のことです。通常、新暦四月5日です。お盆はお墓参りしないですけど、供物を用意して位牌で祭るのです。
お墓のカタチ
田舎では、『亀甲墓(きっこうばか)』っていう種類が一番見られています。
下記の画像の通り。写真はさすがにあれですので、落書きで表現致します。
総称亀甲墓ですが、皆それぞれです。これも所詮その一つです。沖縄ともそっくりですね。自分から見れば、一番の違いのは屋根の様式でしょう。
この様式は敷地が大きいです。数名から十数名以上の家族は同時に祭祀を行うことも出来ます。
ちなみに台湾は三百前、清国統治時期の移民の末裔が多いです。そして、この地を開墾した先祖様を「開台祖」と呼びます。旧中国時期の族譜は考証不可となり、台湾に来た先祖様だけを祭ることになりました。
祭祀の流れ
供物を置く
フルーツ、駄菓子、三牲(三つのささげ物)通常、鶏一匹、豚肉、水産物(イカ/魚)など。墓の上に墓紙(ぼし)を置く。飛ばないよう、更に小石を置く。通常墓紙3本が使われる。(墓紙は黄色の長方形や、赤/緑/黃/白/藍色の五色です)
残りの墓紙を周囲の土に散らす。
線香を燃やす
后土(土地神)に一礼して線香1本を香炉に挿す。また一礼。
(お墓の隣にちっちゃい土地神の位牌が設置されています。)先祖様に一礼して線香1本を香炉に挿す。合掌そして一礼。
族長は先祖様に一礼、皆からも一礼。
族長は方言で祝詞を述べる。(1.方言こそ真の中国語だと思われるので、正式な場合は方言を使う、特に宗教的な場合。2.国語が聴けない先祖様もいるかもしれない。と様々な言い方があります。)
族長は先祖様に三礼、皆からも三礼(皆を代表する族長だけは土下座)
読経始め(台湾の民間信仰には、道教と仏教の区別は曖昧です。ある意味でも神仏習合ですね)
みんな読経しながら礼をしている(具体的に何回、自分も分からない)
最後にまた一礼。
そして、休憩と食事の時間に突入!
ウチはいつも焼きそばと肉羹(ロウガン)スープです。
休憩時間は線香が燃え尽きるまで、場合には二本目の線香が燃え尽きるまで伸びます。
紙銭(冥銭)を燃やす。
冥銭と言っても色んな種類があります。服装の絵が印刷された冥銭とか、リアルの貨幣をマネする冥府銀行券とか、金箔*/銀箔*を貼った冥銭とか。普段、神様用/一般霊用もあります。ですが、清明祭の時はあまり気づかずに使います。
*実はスズZinnです。
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ご趣味ある方は中国語のウィキペディアへ
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%99%E9%8C%A2
冥銭を燃やしたあと、爆竹を鳴らす。
皆また集合。
族長は先祖様に一礼、皆からも一礼。
族長は方言で祝詞を述べる。
先祖様に全員一礼。
族長とお互いに一礼をして終了。
<完>