社交ダンスのレッスンってどんなことをやるんだろう?
この記事では社交ダンスのレッスンを初めて受けたいと思っている方向けに、社交ダンスってどんなことを習うのか、より深く知っていただくために書きました。一般的な話と、当スタジオではどのようにやっているか、について記載してますので、ぜひ体験の際の参考にしてください。
はじめに
社交ダンスの体験に来られる方はさまざま。
社交ダンスのとらえ方がとっても多岐にわたるので、ダンス教室の方針もさまざまだし、自分はダンス教室ってこういうことを習えると思っていたけど違った!っていうミスマッチも時にはあります。
実際体験に来られた方とお話していて、すでに長く社交ダンス界にいる人間になってしまっている私と、まったくご存知ない方とでは当然ダンス教室に対するイメージが異なるので、「アレ?思ってたのと違った・・」というパターンもどうしても存在します。
なのでそのあたりを一度交通整理してみようかなと思いました。
社交ダンスのイメージって?
まずここはもうみなさんが社交ダンスに対してどのような経験を持っているかによって、人により大きく異なります。
たとえば、テレビで芸能人が競技ダンスにチャレンジする番組をずっと見ていた人は社交ダンスと言えば「競技」。
「ドレスがすごいよね!」とか「かっこいいよね!」というご意見をよく頂きます。
若いころにダンスホールに出入りしていたという人は好きなように楽しく遊びで踊るダンス。スタイルにこだわらず、音楽に合わせて楽しむ。沖縄だと結構こういう経験のある方多いみたいです。
はたまた、いざ体験に来られたら「サルサがやりたい」というご希望だったり・・・
(サルサは同じペアダンスですが「社交ダンス」枠ではないので指導してないところも多いのです)
とにかく見てきたもので抱くイメージも違うし、社交ダンスだと思ってたら違った、っていうこともわりとあります。
競技という面しか知らない方にとってはきれいな衣装を着て振付を覚えて踊って、だと思っているし、ダンスホールで楽しんでいた人たちは「ステップなんか覚えようとしたことない」という人もいます。
どれかだけが本当なのではなくて、すべて同じ「社交ダンス」
だけどバックグラウンドが違うと、取り組み方も違う、やりたいことも違う。ホントに多方面に広がるのが社交ダンスだなって思います。
なのでどうしても、「とりあえず近くの教室行ってみよう」って感じだと思っていたのと大きく違ったなんてケースも起きるわけです。
以上をふまえて、習い方にもいろんなパターンがあるということを次に解説します。
習い方のパターン
よくあるダンス教室の形
まずダンス教室のよくある形について解説します。日本のダンス教室の場合、多くが競技ダンスのプロとして活動している人が開いていることが多いです。
競技ダンスのプロというのは基本的には、大会で優勝するほどの人でも大した賞金をもらえるわけではないので、ダンスを指導したり、パーティでショーダンスを踊ることで収入を得ています。
そのため、競技スタイルのダンスやショー形式のデモンストレーションと呼ばれるダンスを教える教室は比較的多く、またそういった教室でパーティ向けのダンスも教えています。
よく、日本の教室は競技スタイルのようなダンスばかり教えているということが批判的に語られることもあるのですが、競技プロが教える教室ですから、競技をやりたい人が集まりやすいのは普通の話ですし、競技をやりたいというレベルの人ほど教室に通って習いたい人が多いのも事実。
一方、ダンス人口の一番多い層は、競技ではなくパーティやダンスホールで遊びで踊りたい方でしょう。そういう方は、場数を踏んで慣れれば踊れるしそのくらいのことでプロについてレッスンを受けたいという割合は少なくなるので、同好会やサークルなどで十分となる方も多いでしょう。
もちろん健康や軽い運動のみの目的でも教室できちんと習いたいと考える方はいますが、「競技をやっている教室は敷居が高い」と感じることもあるようです。そのため、特に地方だと、競技をやっている教師でも、あまり競技色を出さずにさまざまな生徒さんをターゲットにやっているところが多いと思います。
また、多くの教室ではイベントとして、年に1~2回、ホテルなどを会場として行うような大きめのパーティを実施し、1~3ヶ月に1回くらいの割合で教室内でのホームパーティを開催しています。
こういう場で、パーティダンスを楽しんだり、あるいは発表会のような感じで自分のダンスを披露したりします。
どんな目的でダンスをするか
さてこのように、教室ではいろんな形の社交ダンスに触れることができますが、その上で、どんな目的に対応した習い方があるかを改めて下記にまとめてみます。
パーティ向けのダンスにしろ、競技向けのダンスにしろ、基本的にはステップを組み合わせたルーティンと呼ばれる振付を練習します。
振付の中で、相手と踊るためのリード&フォローをより重視して練習するか、競技・デモのためにより魅せる部分の技術を高めた踊りを習うか、という違いが出てきます。
というわけなので、そこに合わせてレッスンの構成も変わってきます。
レッスンの構成
レッスンの構成はどういった目的であれ、以下のようなことをやるのは変わりありませんが、これも割合や、やることの深さ、難易度が変わってくると思っていただければと思います。
たとえばパーティダンスの場合、ルーティンは比較的簡単なベーシック、リード&フォローはしっかりやるけれども、ガッツリトレーニングみたいなことはやらないで何度もルーティンを踊りながら慣れるだけのことが多いです。
競技ダンス向けのレッスンだとルーティンはバリエーションと言って難易度が高めのものを行いながら基礎のトレーニングもしっかり行う。
などといった感じです。
ただ、日本の場合はこんな感じのところが多いと思うのですが、海外だとこの違いがもっと顕著な気がしています。
最近ではSNSなどを通じて海外のダンス教室のやっていることが見えるようになってきたのですが、競技向けのレッスンはもっとゴリゴリにやっているし、パーティ向けのレッスンはルーティンというほどのことはやらないでもっともっとリード&フォローを感じながら動くこと中心にやっている気がしますね。
リード&フォローが社交ダンスの肝!
振付と基礎トレーニングは他のジャンルのダンスでも同様だと思いますが「リード&フォロー」があるのが社交ダンスの特徴です。
社交ダンスはそれぞれが振付を知っていて同じタイミングで踊っているだけなのではなく、リード&フォローと言って相手との「コネクション」を通じて相手のリードを受け取りフォローするという、エネルギーの受け取り合いみたいなものが存在します。
極論言えば、リードする側(男性)はある程度ステップを知らなければいけませんが、フォローする人(女性)はステップを知らなくてもついていけたりします。(といってもフォローにはフォローの技術が存在するのでフォロー体制になっていなければついていくことはできないのでココが私たち社交ダンス教師がしっかりお伝えしたいところでもあります)
ただ、ここが社交ダンスの難しくも楽しいところなのですが、はじめのころはステップを覚えるのに一生懸命で、相手と合わせることにまで気が回らないという人も多く、なかなか上級者にならないとリード&フォローまで到達しづらいことも多いです。
むしろ、ルーティンを覚えれば同じものを一緒に習っているグループの仲間とならば踊れるようになり、リード&フォローをしっかりやらなくてもできた気になってしまうので、実際多くのグループレッスンでは、ルーティンを覚えるだけで終わってしまうケースも多々あります。
リード&フォローを重視したレッスンとなると、あまり難しいルーティンをやらないで、入門レベルのものからじっくりやっていく方が本当は身につきやすいのですが、そうなると中には簡単なステップばかりとか、同じことばかりでおもしろくない、と感じてしまう人もいるでしょう。
ルーティンを覚えたところから本当のレッスンがはじまると言ってもいいのですが、もしそこまでにかなり時間を費やしていたら、なかなか進まなくなってしまうので、中途半端でも次の種目に進みまーす、となってしまうことはよくあるのです。
ダンス教室側としては、飽きさせないで通ってもらう工夫もしなければならないという責任があるので、どんなに必要なことだと思っていても、実際は多くの方が続けて通ってくれる方法に流れるのは仕方ないのかもしれません。
ただここがうまくできるようになると、明らかにパーティダンスは楽しくなりますし、競技にしろデモにしろ必ず必要になります。
グループレッスンと個人レッスン
グループレッスンと個人レッスンは、ただ受ける人数が違うだけではありません。当然個人レッスンの方が自分に合ったことを指導してもらえて、より深く、指導してもらうことができます。
グループレッスンというのは、どうしても複数名で受講していただく以上、開催される時間帯も、内容も、多数派のニーズに合わせて設定されていることが多いです。
一般的な話として、パーティダンスなどはグループレッスン、競技やデモ向けは個人レッスンというのがよくあるパターンです。
理想的なことを言えば、ある程度粒のそろったメンバーが集まるならグループレッスンもいろんなレッスンを用意できます。粒がそろっているというのは属性が同じ人たちが集まるグループということです。
たとえば年代別に「シニア」「ヤング」「ジュニア」とあれば身体能力などがだいたい似通った人が集まりますので、「ついていけない」とか「内容が緩い」などといった不満は減ります。
また、「競技クラス」「パーティクラス」などは目的別に設定されたクラスです。
ですからそれらを組み合わせれば、「ジュニア競技クラス」など、やりたいことに近いクラスも望めます。
これは指導する立場から言っても、目的や、能力のそろっている人たちの方が、指導しやすいのは想像できますよね。
ただし、人口の多い地域や、生徒さんがたくさん通っている教室でなければ細分化したクラスをつくるのは難しいという事情も当然あります。
そんなわけで「こんなレッスンを受けたい」というご希望に対してすぐに対応しやすいのは個人レッスンということになりますが、料金がお手頃なグループレッスンの方が通いやすくはあるでしょう。
どこまでやるか?
どんなスポーツでもそうですが、自分が楽しめて、続けたいと思うレベルのラインってありますよね
人によってそこが異なりますが、やってるうちに変わってきたりもするものです。
ダンスの教室やサークルが自分に合うレベルなのかどうか
ここは体験してみないとわからないし、始めてみると自分がそこまでやろうと思っていなかったのにいつのまにか・・・・ってこともあります
はじめはこのへんまででいいやと思っていたけど、思っていたよりも楽しみが増していく。これって幸せなことです。
ダンスにどう出会うかでここに至るかどうか変わるわけですけど、ダンス教師はみんな沼にハマってきた人たちだと思うので、同じ体験をしてほしいなあとは思っているでしょう。
そういえば、私もダンスをはじめた最初の理由のひとつは「スケートリンクが閉まっている夏の間の趣味になればいいな」くらいでした。
なのに今では教える立場に。。。あれれ(;^ω^)
まあこんなこともあるので、成り行きに身を任せて自分の中でダンスとどう付き合うかが決まってくるものだと思います。
自分にあったレッスンを受けるために
いろいろ書いてきましたが、初心者さんのときは特にはっきりとした意思や目標をを持ってダンスを習いに行く人ばかりではないでしょうから、自分はどういう形で取り組みたいか、ぼんやりとでも、参考になればいいなと思っています。
最後に、私のやっているStudio Riverのレッスンについて改めてまとめます。
当スタジオは女性教師が一名で担当します。
私自身は競技向けの社交ダンスをしてきましたので、体をしっかり使いながら美しい踊りを追究するのが自分の目指すダンスの形です。
基礎や姿勢など自分自身のスキルを高めることをメインに指導しています。
基礎というのは、体の使い方(アームや背中、足など全身をしっかり使えるように伝えています)をじっくりと、ダンスを踊る仕様にするための、動きや姿勢のトレーニングだと思ってください。
バレエで言えばバーレッスンのように、初級者から上級者まで、常にベースを一定のクオリティを保つために行うのが基礎です。
最近はありがたいことにこの方針に賛同してくれる生徒さんも増えてきて、姿勢をよくしたい、動きをキレイにしたいという気持ちで通ってくださっています。
また、私個人は10ダンサーとしてラテンとスタンダード両方を行ってきましたのでどちらもレッスンをしていますが、経験上は主にラテンの方を得意としております。
また、当スタジオでは、ダンス教師養成も行っております。教師目的以外でもダンスの教科書を読み込めるようになりたい方など、ダンスを体系的に勉強したい方に最適です。養成講座がある教室は少ないですので、チャレンジしたい方はお問合せ下さい。
みなさんにお会いできるのを楽しみにしています!
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