ミツバチ①私たちの宝物
「ミツバチが地球上から消えたら、人類はあと4年生きられるだろうか。」 byアインシュタイン
私たちはミツバチがいなければ、今のところ生きていけません。意外ですか?
ミツバチから直接的に受ける恩恵ですぐに思い浮かぶのは、ハチミツですが、それは別の回でお話しするとして、今回は違った角度から見たお話しです。
多くの植物は、実や種を作るために花粉を運んでもらわなくてはいけません。それにはミツバチなどの昆虫(送粉昆虫)の助けを借りるのが一番。別の方法で受粉できる植物もありますが、効率はあまり良くありません。
リンゴやナシ、きゅうりやピーマンも、私たちが食べているのは果実の部分です。その中にはタネが入っていて、撒けば芽が出ます。また、大豆や小豆、胡麻はタネ。コーヒー豆もタネです。アーモンドなどのナッツ類もタネ。
大根やにんじんは根の部分、長ネギやキャベツは葉の部分、ブロッコリーはツボミですが、どれもタネから育ちます。どれも毎日のように食するものばかりですよね。ミツバチは様々な送粉昆虫の中でもとりわけ送粉が上手だそうですよ。
植物だけではありません。ミツバチがアルファルファやクローバーの花粉を運ぶことで、たくさんのタネができ牧草が育つので、牛はたっぷり食べて、牛乳を出してくれます。良いお肉にもなります。
こんなエピソードがあります。イギリス人は、ニュージーランドを植民地化し、主に羊を飼うことにしました。羊の餌にいいのはアカツメクサですが、ニュージーランドではこの草が種をつけない!そう、マルハナバチ(ミツバチの仲間)がいなかったのです。
それからはアカツメクサのタネをイギリスから取り寄せるときに、同時にマルハナバチも取り寄せるようにしました。余談ですが、マルハナバチは、野ネズミが土の中に掘った巣を利用することがあり、野ネズミを駆除すると、マルハナバチが減り、アカツメクサが育たないことがあるそうです。
話を元に戻します。さらにさらに!ミツバチがワタの花粉を運んでくれなければ、木綿を取ることが難しくなり、コットンのTシャツやジーンズも着られなくなることでしょう。
十数年前、”北半球からミツバチが消えた!”という記事を読んで青ざめた記憶があります。ある時突然、ミツバチの巣箱が空っぽになったというのです。ヨーロッパやアメリカでのことだったと思います。リンゴが食べられなくなったらどうしよう、と思いました。
ダニなどの天敵、環境の変化など、いろいろな角度から専門家が研究を進めました。農薬を複数の種類使用した土壌で育った植物の影響かもしれないという説もあります。先ほどのマルハナバチの話から分かるように、いろんなことが関係してつながっていることを考えると、原因を一つに絞ることはできないと思います。
ミツバチは世界的に見ても急激に数が減っています。人類の宝物のミツバチがたくさんたくさん活躍する世界を夢見ています。
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