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Studio Oneのハコ|イベント・パート・パターン・クリップ・リージョン?

2024/01/04 Studio One 6.5

Studio Oneガイドブックの執筆でもどこまで厳密に使い分ければよいか困った「ハコ」の呼び方。ガイドブック冒頭で解説は加えていますが、厳密に区別するとかえって解説し難かったり、ハコと呼ぶのはとてもわかりやすく講義でもよく使います。

しかしながら半端な使い方は混乱の元になるので、注意してかき分けてはいます。一応、以下の文をお読みいただくと、おおよそのイメージと区別が付けられるかと思います。

※うろ覚えのまま書いたので、後日正確なところを確認してみます。間違っていたら随時修正しますのでよろしくお願いいたします。

以下、「ハコ」とは何か?からの雑記。

録音したオーディオはクリップとしてプールに保存され、アレンジウィンドウ上にはイベントが表示され、その中には参照するクリップが波形として表示されています。複数のオーディオイベントをまとめるとパートになります。パートを編集ビューで開くと、パート内のイベントが表示されています。

ゲインエンベロープは、クリップに対してゲインを調整します。つまり、オーディオイベントではなく、参照元の(プールの中のオリジナルの)クリップをダイレクトにゲイン調整する機能です。
そして、オリジナルに直接ゲイン調整するけど、他のパターンでゲイン調整もしたい、という希望に対して「新規クリップバージョン」機能を用意して、オリジナルに対して複数のゲインカーブを指定できるようになっています。この場合、ファイルは複製されないのでMediaフォルダ内の容量は増えません。

新規クリップバージョンで2つめのクリップを用意

なお、一般的な呼び方として、オーディオイベントをリージョンと呼ぶ傾向はあるように感じます。オーディオを参照しているハコという意味合いとなります。

用語を把握すると、以下の図のイベントやクリップの状況も把握できるようになり、エディットにも少なからず好影響を与えるでしょう。

イベントのゲインカーブと、クリップに対してのゲインエンベロープは使い分ける

インストゥルメントトラック上のハコは「パート」と呼びますが、パートだと、楽器のパート名のようで紛らわしさもあるので、MIDIイベントやインストゥルメントイベントといった言い回しがわかりやすい印象です。ただ、「インストゥルメントのイベント」と言ってしまうと、ノートデータなど演奏データもイベントと呼ぶのでややこしくなってしまう恐れがあります。
ドラムパターンに特化したい場合は、パートをパターンに変更すると、パターンエディターが開きます。
「パターン」は、パート内で「ドラムビュー」にしているのとは根本的に違う扱いとなり、例えば、ImpactXTをドロップして作成したインストゥルメントトラックにパートを作ると自動でドラムビューが開きますが、さらにパターンに変更すると、パターンを編集できるといった違いがあります。

なお、Studio Oneのマニュアルでは、オーディオイベントとインストゥルメントパートをまとめて「イベント」と呼んでいます。これが混乱の元のようにも思いますが、実際のところ、インストゥルメントパートを単にイベントと呼ぶ傾向はあるように感じます。

Studio One公式マニュアルから抜粋

ついでにといっては何ですが、建前上Studio OneにMIDIトラックはありません。あるのはインストゥルメントトラック。でも構想中や原稿を書くときはついついMIDIトラックと書きそうになるのを、正式名称で書かねばならないという使命感で「インストゥルメント」と今日もタイピングするのでした。文字数多いよインストゥルメント。

-関係のない話-
インストゥルメントトラックの話をして思い出したが、インストゥルメントトラックにエフェクトを読み込むところをインストゥルメントラックと呼ぶが、インストゥルメント・トラックとインストゥルメント・ラックはとても紛らわしい。
英語ではInstrumentRackとInstrumentTrackなので、大文字になってれば視認しやすい。

以上です

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