イタリアでも意外と知名度が高いワード、「先生」「xxさん」「先輩」
日本語の勉強を始めたばかりのフラヴィアさんとのレッスンで、きょう、新出単語として「先生」「ーさん」が出てきました。
フラヴィアさんに
「この言葉、聞いたことありますよね?」
と聞くと、意味も知っていました。
私が日本語を教えているイタリア人の9割は、もともと日本文化に興味があって日本語の勉強を始めた人たちです。
特にアニメや漫画が好きというわけではなくても、「先生」というワードは、例えば空手などの武道を習ったことがある人は知っています。
武道を教えているところでは、先生のことを「Sensei」と日本語のまま使っている場合が多いからです。
日本人がイメージする「外国人が知っていそうな日本語」というと、ひと昔まえは geisha、fuji、sushi、sumo あたりだったのではないでしょうか。
これらのワードは今でも認知度が高いです。
が、日本語を教え始める前までは「先生」というワードがこんなに知られているとは思ってもみませんでした。
「xxxさん」についても同様です。
「先生」ほど認知度は高くありませんが、アニメを見る人であれば必ず知っています。
アニメが大好きという人なら「先輩」というワードまでおさえています。
アニメの文脈の中でどう使われているかを見ているので、意味も正確に把握しています。
ですので、改めて意味を説明する必要もほとんどありません。
ただ、学園ものアニメの中でこの「先輩」を覚えた場合がほとんどなので、学校の中だけでなく「会社の先輩」みたいな使われ方もすることを付け加えます。
で、アニメをほとんど見ない人は、「xxxさん」の使い方を知らないことが多いので説明しなくてはなりません。
イタリア語は、英語の「Mr.」「Ms.」のような敬称があり、それぞれ「シニョーレ」「シニョーラ」。
「xxxさん」の使い方を説明するときは、
「だいたい『シニョーレ/シニョーラ』と同じです」
と言います。
だいたいと強調するのは、この「シニョーレ/シニョーラ」という敬称は若い人に対しては使わないからです。
20代の男の子に「シニョーレ」を使うのは変な感じがあります。
一方で日本語の「xxxさん」は、大学生であっても自分より年上の人に対しては「xxxさん」。
つまり、年上の人に対してはその年齢に関わらず「xxxさん」をつけて呼ぶ、という説明で十分です。
逆に、日本人にとって「シニョーレ/シニョーラ」がどう使われているのかをイメージするほうが難しいのかもしれません。
例えば、路上で何かを落とした人に声をかけるとき、日本ならふつうは「すみません」が第一声。
イタリアでも「すみません」に当たる「スクーズィ」でOK。
でも、何かを落とした人がおばあちゃんだったら、第一声は「すみません」の代わりに「シニョーラ」と声をかけます。
これは日本語で「おばあちゃん、何か落としましたよ」と呼びかけるのとはどうもニュアンスが違うようです。
このあたりのことは、また別の日に書いてみたいと思います。
(おわり)
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