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【リレー小説】第二弾 #7(にしえみ)

 時刻は1時。
 この時間はほとんどお客さんが来ない。24時間開けている意味があるのかと思うほど、1時を過ぎるとほとんどお客さんは来ないが、バックヤードにいた店長が出てきた。
その瞬間、自動ドアが開き、緑色のワンピースを着た女性が入ってきた。30代前半ぐらいだろうか。ほとんど化粧をしていないが、目鼻立ちが整っており、すっぴんでも十分美人である。

 彼女は店長の不倫相手だ。

 3カ月前に、二人が車の中でキスをしているのを偶然目撃して以降、ボクの前では堂々と振る舞っている。口止めのつもりなのかは分からないが、目撃した次の月から時給が30円上がった。そんな小細工しなくても、ボクは誰にも言うつもりはなかったけれど。

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