【リレー小説】第一弾 #8(にしえみ)
佐藤君のことを気になっているものの、今はマネージャーと部員という関係だから、野球の邪魔をしたくない…と思って、自分の気持ちを必死で抑えていた。でも、それは言い訳なのかもしれない。今の関係が壊れるのが怖いんだと思う。
普段はこんなこと考えないけど、サキと出会って、ちょっと焦ったのかもしれない。サキはいつも、私が好きになった人を奪っていくから。
「夏大会の予選も始まるし、気合いを入れているの!」
私はもう一度、自分の頬をぺちぺちと叩いてみせた。朝から佐藤君に会えるなんて思ってもみなかったので、緊張を紛らわしていたのもあるかもしれない。
「よし、俺にも気合入れてくれよ!」
え!? まさかの反応に、動揺してしまった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?