【リレー小説】第二弾 #2(きやま)
彼が買うものいつもスポーツドリンクとおにぎり、それと34番のタバコ。髪の毛の色と同じくらい明るい性格で、レジで必ず雑談をする。
「お疲れっ。あと34番」
ボクはさっと棚からタバコを取る。
「お兄さんもお疲れ様です」
金髪のお兄ちゃん、と呼んでいるのは心の中だけ。彼はこの時間帯まで、飲食店で仕事をしていると以前聞いていた。
今日は大学生の団体が来て大忙しだったという話に相槌を打っていると、新しく客が入ってきた。
なぜかその人影が妙に気になって、ちらっと自動ドアのほうを見る。
入ってきた客は男性で、顔が青白く、瞳がぎょろぎょろして、落ち着きがない。変なクスリでもやってそうな見た目だ。金髪のお兄ちゃんはもちろんその男性を気にすることなくボクに話しかける。
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