【リレー小説】第二弾 #6(飯田)
そろそろボクに話を振るのはやめてほしい。つい先日、店長に私語が多いと釘を刺されたばかりなのに。
今もきっとバックヤードで僕たちの会話を聞いているはずだ。
吉田さん、ボクの苦手なタイプなんだよな。
それに、今のボクには青春なんて無縁だ。
でも、断るわけにはいかないし。
「自分、理工学部です。自分でよければ」
僕に出せる精一杯の笑顔で答えた。
「んじゃ、よろしゅう頼むわ!」
「吉田!友達できたで。良かったな」
と、金髪の兄ちゃんは満足そうだ。
吉田さんは、横で軽く会釈をしてくれた。少し顔に赤みがさしてきたような気がする。
そして、二人は店を後にした。
二人はどういった関係なんだろう。次会ったら聞いてみよう。
ふーっとため息をつく。バイトは朝の6時まで。長い夜になりそうだ。
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