【リレー小説】第一弾 #9(飯田)
ここは平常心を装って、すかさず「バシ!!」っと佐藤君の背中をたたいた。
「痛ててて!力強すぎない?」
佐藤君は半分苦笑いだ。やりすぎたかな?と少し不安になった。
「ありがとう!気合入ったわ。」
「そうだ!今日、誕生日だろ。いつも野球部を支えてくれてありがとな。」
はにかんだような笑顔で、可愛くラッピングされたハンドタオルを渡してくれた。
私は、思わぬ展開に茫然となり、その場に立ち尽くした。顔は真っ赤になっていたと思う。
「じゃ、また後でな!」
佐藤君は照れ笑いして、早足に去ってしまった。
アヤは空を見上げた。これから起こるであろうハッピーなことに期待しながら、再び弾むような足取りで学校へ向かった。
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