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百合、ユリ、ユリリー、リリー(後編) 花の名は。Vol.25(3/3)
前編、日本原産のユリについて。中編、日本及び英語圏での、ユリではないユリについて。あと大事なユリの話は、女の子同士の百合物語、ではなく。園芸品種、交配種のユリです。これがまた多いんだ。
一番有名なユリってたぶん、カサブランカです。特に日本では。なんでしょう、名前が刺さったのでしょうね。「白い家」という意味で。同じタイトルの映画とか、流行歌にもありそうです。ヤマユリをベースに、より大きく、純白で、ヤマユリ同様に香しく。歴史に残る銘花です。人気がありすぎて一時期、日本ではカサブランカのバラエティが続々と販売されました。ピンクカサブランカ、レッドカサブランカ、イエローカサブランカ、八重のダブルカサブランカ、花がさらに大きいからスーパーカサブランカ、等々。それぞれ本来の品種名が併記されていたりします。
そんなわけで、改良された大輪のユリを全部、カサブランカだと思っている方々が少なくありません。残念です。
交配ユリは、元になっている原種から、いくつかの系統があります。その系統名によって、日本でもグループの総称として通じているものがあります。その代表がオリエンタル系、オリエンタルハイブリッドです。東洋交配。と和訳はしませんけど。日本原産かつ固有種のヤマユリ、カノコユリ、ヤマユリの変種であるサクユリなどが主な交配親。そう、ユリ属は種間交配ができたことによって、20世紀になり、爆発的に改良が進みました。オリエンタル系のユリは概ね、大輪で香りが強く華やかです。まとめてカサブランカと勘違いされるユリはオリエンタル系です。
対してエゾスカシユリ、スカシユリなどの交配種がアジアチックハイブリッド。東洋とアジアって違うのかな。ピンときませんが英語圏的には違うのでしょう。ピンとこないためか、日本ではアジアチック系などと呼ばれることは少なくて、スカリユリになっています。とても紛らわしいことに、野生種も標準和名がスカシユリ(別名がイワユリ、イワトユリ)なのと、多くのアジアチックハイブリッドは透かしではありません。改良されるにつれて、花弁が丸くなり、重なり合って、向こう側が透けて見えなくなりました。透けてなくてもスカシユリ。規制が厳しくなったのかな。違
あとは、ロンギフラムハイブリッド、ロンギフラム系ですが、これは、主にテッポウユリが元なので、日本ではテッポウユリの下に品種名をつけて通じています。似て非なる系統がオーレリアンハイブリッド。日本のハカタユリと、中国原産のリーガルユリなどの交配。見た目はテッポウユリ、ただし色彩豊かで、黄色系が多いです。トランペットリリーが通り名。
それから、マルタゴンハイブリッド、キャンディダムハイブリッド、アメリカンハイブリッドとあります。これらは日本では馴染みが薄いです。好みの問題らしくて、たまに販売されますが流行りません。
これで概ね・・。概ね。
20世紀の後半から、胚培養というバイテクを駆使して、それまでは交配ができなかった(受粉させても発芽する種ができなかった)、種間のユリが交配可能になりました。
その紹介はまた、改めて。とりあえず完。
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