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【思い出の橋 6】天草五橋

うつ病回復期で、文章が書けるようになってきました。久々に橋の話を投稿します。

 思い出の橋 第6弾は、20代の私が1993年に自転車で訪ねた天草五橋です。
 この20年後、私が九州の人になり、5橋のうち4橋の設計(新設・補修・耐震補強)やデザイン等に関わることになることを、当時の私は知るよしもありませんでした。

思い出を語る場にしたいので、各々の橋の説明は省きます。興味ある方は下記のサイトなどを参照ください。


天草1号橋【天門橋】

 平成30年、天草1号橋「天門橋」の横に新しい橋「天城橋」がかかりました。上の写真が、1993年に私が撮った写真。下が四半世紀後の2018年に撮った写真。
 私の会社が設計し、上司がデザインしたもので、アーチスパン350mは、この形式では日本最長です。
平成30年に土木学会の田中賞を受賞しました。

 私は直接設計やデザインに関わっていませんが、工事が始まる直前に東京の本社から九州に転勤になったので、定期的に熊本に行き、工事記録や広報を手伝うことになりました。

1993年 サイクリングの橋巡りで撮った写真
2018年 ほぼ同じ場所から撮影 
↓下は開通の広報ビデオです↓


天草3・4号橋【中の橋、前島橋】

 天草3号橋「中の橋」と4号橋「前島橋」は、私の転勤先九州支社で、補修設計を行いました。その際、本社のデザイン部署から来た私に、照明ポールをデザインする機会をいただきました
 客先のリクエストは、「周辺が松林なので『松』をポールのデザインに取り込んでもらいたい」というもの。照明ポールは真っすぐに作らないといけないのに、モチーフの松の木はくねくね曲がっているわけで、かなり悩みました。
 で、考え付いたのが、二股に分かれる「松葉」を照明の張り出し部分のシルエットに入れるというもの。その昔、アメリカ映画で見たハイウェーの照明ポールのデザインがヒントとなり、無事採用いただきました。

中の橋 1993年サイクリングの橋巡りで撮った写真
前島橋 1993年サイクリングの橋巡りで撮った写真
私デザインの照明ポール(中の橋・前島橋 2022年撮影)
 シルエットの中に「松葉」が隠れています
ネットから拾ったアメリカのハイウェーポールの写真
何かの映画でみた「この形」が頭の片隅から出てきて、デザインに繋がりました


天草5号橋【松島橋】

 天草5橋最後の「松島橋」は、赤いパイプアーチ橋です。船の航路をまたぎ、天草五橋の最後の橋でもるあため、天草のゲートとしてシンボリックな形式と色が採用されています。
 私の会社が耐震補強設計と点検を行いました。私は点検に同行しただけで何もしていませんが、アーチが丸パイプで出来ているため足の踏み場が無く、点検はかなり大変でした。
 耐震補強の結果、アーチの下に斜めのブレース材が追加されました。耐震補強は、外観をほとんど変えることなく行うことが出来、当然熊本地震でも目立った被害は出ていません。

1993年サイクリングの橋巡りで撮った写真
5号橋「松島橋」の後ろに4号橋「前島橋」が見えます。
当時天草五橋といえば、このアングルの写真が絵葉書などに使われていました。
耐震補強後の松島橋 斜めのブレース材が追加されました。
↓補強後の写真はココから引用させていただきました↓


仕事を長くやっていると、思い出も重なっていくものですね~


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