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僕らにとって、散歩は冒険|ループのザツダン【COZIが今、ハマっていること】 後編

ループに所属するカメラマンの素顔を見せたい雑談企画。今回は、前回に引き続きCOZIの雑談をお届けします。

山へ、海へ、田んぼ道へ。その日の気分に応じて冒険に出かけるように違う道を散歩するCOZIと秋田犬のコロ助。後編では、愛犬と暮らし始めて変わったこと、気付けたことを教えてくれました。

 聞き手:うのりな(ザツダン


秋田犬のコロ助、愛称はBOY

前編はこちら

COZI
:僕も健康的になれて、地域の人にも、娘にもすごい良いでしょ。愛情を分散できるし、愛情のかけ方を知るじゃん? 動物と一緒に過ごすって。
 
うの:娘さんとBOYはどんな関係なんですか?
 
COZIうちのBOYは娘のことをね、守る。滅多に噛まない。絶対に何をしても怒らない。娘はコロ助(BOY)のことを遊び道具にするんだけどね(笑)

寝転がってるコロ助の腕の中に入って一緒に寝たり、耳を輪ゴムで縛ってみたり、歯に詰め物をしてみたりとかさ。いろいろいたずらをするんだけど、コロ助は絶対に怒らないし、かまってくれることに喜んでる。
 
あと、僕が娘のことを怒ろうとすると、こっちにガリっと(噛みついて)くる。
 
うの:え〜〜!COZIさんにはくるんだ。
 
COZI:僕にはくる。でも娘には滅多にしない。守ってると思う、あれは。男らしいよ。
 
うの:弟って感じじゃないんですね。
 
COZI:そう、娘も甘えるし。コロ助はもう30キロあって、身長も寝転がったら普通に娘を超えちゃうぐらい。


 
うの:もっと大きくなるんですよね?
 
COZI:まだまだ、45キロぐらいになる。

実は今、彼が去勢手術中でさ、それが不安でね。今日この後迎えに行くんだけど。それで朝ずっと調べていたのが、彼が去勢するんだったら僕もしようと思って。
 
うの:なんで?!一心同体すぎません?

COZI:性欲って、犬にとって一番邪魔だと思っていて。本能的に抑えられないものだけど、うちは繁殖するとかの選択はしないと決めているから。性欲とか、マウントを取りたくなる欲求を叶えられないのはすごくストレスだと思うんだよね。
 
だったらマスターとして、ストップさせてあげた方がいいなと。でも、「そんなん言うても、お前はどうなんだよ」とかって言われたくないからさ。
 
うの:コロ助に?
 
COZI:うん。だから分かったよ、僕も取るよって。
 
うの:2人で散歩中に相談してるんだ(笑)
 
COZI:一緒に4つ並べてネックレス作ろうぜって(笑)


うの:すごい人生変わってる。
 
COZI:そうだね。すごい楽しいんだよ、一緒に海に潜ってみたりとかさ。リード(引き綱)を外せる環境がこの地域にはすごいある。公園とかだと絶対にリード離せないじゃん、大型犬だし。
 
うの:街なかは車通りが激しいですからね。どんなに信頼関係があって、絶対大丈夫と思っていても万が一があるし。
 
COZI:無理だと思う。でも、ここは誰もいないビーチもあるし、誰もいない畑もあるし、誰も登らないトレッキングルートもいっぱいあるし。気ままに走れるというかね。リードがなくても、隣にいながら走ることができる。彼にとっても、僕にとっても幸せな環境を十数年前に選択してたなっていう「過去の自分」を褒められる。
 
秋田犬を飼うっていう夢を諦めないでよかったな、と思うね。やっと叶えた夢を楽しんでる最中。
 
うの:夢は何歳からでも叶えられるんだな〜

COZI:犬だから寿命は15年ぐらい。今、僕は43歳だから、実を言えば多分最終なんだよ。
 
うの:最終?ちゃんとお世話できる年齢ということですか?
 
COZI:50歳から若い大型犬を飼うって、散歩も体力的に難しいだろうし、犬が高齢になって介護の年齢が被るというかね。43歳だから毎朝毎夕1時間ずつ散歩に行ける。わりと仕事の時間が自由な環境ができあがっていて、子育てがある程度落ち着いてるからできている。そういう意味でもやっぱり、今だったのかなと思う。


 
うの:仕事にも良い影響は出ていますか?

COZI:すごい出てる。まず、会社に早く行く。
 
うの:(笑)
 
COZI:今は4時半に起きて、1時間ちょい散歩をして、娘のお弁当を作って、妻と娘に朝ご飯を食べさせて。昼ご飯を作って、7時半過ぎに娘を小学校に送って、そのまま出勤するから8時とかに着くんだよ。それまでは10時からの撮影にギリギリで到着してたような男が(笑)
 
8時から仕事するもんだから、14時ぐらいに終わる。それから買い物をして、15時ぐらいに家帰って、ご飯作って。コロ助の散歩して、夕飯食べさせて、お風呂入れて、寝るじゃん。

そうすると、寝るのが20時とかでさ(笑)
 
うの:健康的(笑)。太陽のリズムで生きていますね。
 
COZI:もう、すこぶる調子がいい。それに交友費が全くかかってない。我慢じゃなくて飲み会とか滅多に行かなくなったし、なんなら行かない。彼のためとかじゃなくて、一緒に時間を過ごしたい。もちろん娘も一緒にね。
 
一昨日は海行って、みんなでバシャバシャ入って、そのまま家のプールに飛び込んで。そんで、ドライヤーが面倒くさいからまたそのまま散歩して乾燥させてって、今の環境を家族全員で楽しめてるなーと。
 
うの:本当に、毎日が冒険みたい。


 
COZI:そこにプラスで生産性を求めてて、もっといいことしたいと思ってる。今は野獣のウンコを見つけては、何を食べてるのかを観察してる。
 
あ、キツネってスイカとかブドウ食べるんだ。ってことは、こっちの畑に行くんだな〜って足跡を追って、畑のお母さんに「多分キツネ来るよ〜」とか情報共有したり。
 
うの:ウンチ探偵だ。

COZI:あと、足跡。このエリアは砂浜だから足跡がよくつくんだよね。タヌキは重たくて深い。キツネは小さくて四つ。イノシシは穴が空いたような跡で、ハクビシンは爪で掻いたような跡。足跡探偵も面白いよ。

うの:2人で地域の事件を解決する日がきそう(笑)

COZI:この前イノシシに遭遇した時はびっくりしたな。護身用に持ってた山刀も出す暇がなかった。横の竹藪からものすごい音がしてコロ助と2、3歩下がったら、バババッて2メートル手前に現れて。山が出た!って思っちゃったくらい大きかった。体長は2メートルくらいあったと思う。で、めちゃくちゃ臭い。その臭いで、イノシシだ!!って。

うの:こわ!イノシシが通りかかったってこと?

COZI:いや、コロ助の匂いに出てきちゃったんだろうね、なんかいる!って。で、こっちを見たの。目があった。咄嗟にコロ助を守るためにリードを短く持って引っ張ったら、ものすごい強い力で僕の前に出てさ。思いっきり牙を出して、全身の毛を逆立てて威嚇して。初めて見た姿だった。そしたらイノシシが逃げていったんだけど、すっごいかっこよかった。

うの:あんなに愛らしいのに。

COZI:僕のことを守ろうとしたのか分からないけど、敵わない力だった。それから、すごく頼もしくてさ。

うの:私は犬を飼ったことがないけど、散歩って面倒なものってイメージがありました。

COZI:全然!楽しいんだよ。Bluetoothで音楽を流す時もあるんだけど、今日のちょうどいい音楽とかも何故かマッチするようになってきた。多分、感覚が鋭くなってるんだと思う。雲の動き、波の音、砂の暑さ、コロ助の調子、僕の気分で音楽を選んだり、ルートを決めてるから。肌がザワザワしたら雨が降るとか、こっちの鳥がこういう風に鳴いたから、次はあっちから同じ鳥が返事するなとかもわかるし。

ツバメが低く飛ぶと雨が降るって言うでしょ?雨が降る前は湿気が出て、虫が上手に飛べなくなって草の下に隠れる。それをツバメが食べに来るんだろうけど。

こないだ、白い蝶がカップルで飛んでいるのを見て、コロ助と「なんか今日はかわいいのがいっぱいいるね」って話しながら歩いてたんだけど、どんどん蝶が下にきて、カップルじゃなくなったりしてさ。そしたら、ツバメが目の前で食べていって。それもすごい面白くて。

そんなの、今まで注目して生きてこなかったから。今、自然なものにすごく敏感になれていて、自分の行動とか人の気持ちにもきっと敏感になれている。小説を読み漁っていたあの頃のような、厨二病感があるな〜と思って(笑)

今まで新潟に住んでいて、気になっていなかったことがいっぱいあるんだな〜って。いろんなことを純粋に楽しめてる。

うの:人生は何回でも楽しめるんですね。


COZI:これが本当に仕事になり始めてて。撮影依頼がきた。

うの:コロ助に?

COZI:ううん、僕に。雑誌の表紙用に犬を撮ってほしいって、カメラマンとしてオファーがきた。

うの:インスタのストーリー投稿から?そんなこともあるんだ。

COZI:でも、これまでもずっとそうだったのかも。美少女図鑑も、ウェディングフォトも、好きなことや楽しいことをやり続けてたら仕事になっていった。確かにライフステージが合っていて、被写体を好きだと思っている人に依頼したいもんね。

うの:前半は散歩がしたくて仕事を制限しちゃうみたいな笑い話もあったけど、散歩のおかげで繋がった仕事もあるんですね。

COZI:そうそう、なにかにハマるってビジネスにおいても夢が広がるんだなって。もしかしたら、これから動物の撮影ばっかしているかもしれないし、角田浜の撮影ばっかしている未来もあるかも。地域に密着しすぎてるからさ。だって今、ここら辺で一番僕が地域を歩いてる(笑)

仕事にも夢が広がる話が出てきているし、人生においてもやっとできた趣味。や〜っと見つかった。すごい安心してる、これで。一つのことにハマっちゃうタイプだから、秋田犬との暮らしを突き詰めていった先に、自分がどうなるのかがすっごい楽しみ

うの:COZIさんにとってコロ助はどんな存在ですか?

COZI:ペットでも、子どもでもない。パートナーともちょっと違うし、友だちって感じでもない。一応マスターではあるけど共同生活をしている感覚で…、言葉にするのは難しいな。

娘は「相棒」って言ってる。僕にもその感覚はあるけど、でもマスターだから。うん、それで息子でもないからBOYって呼んでるのかな。僕のBOYではない(笑)

うの:これからも2人ならではの関係をつくっていくんだろうな。一緒に成長していけるのが楽しみですね。

COZI:いろんな物語を一緒に過ごせるんだろうなと思って。毎日、散歩から帰ってくると、2人してハァハァ息をしながら水飲んで「楽しかったな〜!」って話すのがすごく楽しい。それで、「今日あったできことを聞いて!」って妻と娘に2人で話しかけに行くんだ。

うの:目に浮かびます(笑)。これからもインスタのストーリーは更新されますか?

COZI:もちろん。それにコロ助専用のアカウントも作ろうと思ってるよ。

うの:それは要チェックだ!これからも更新楽しみにしています。



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