『壁が崩れて現れるタイトル』AfterEffectsで作ります(No Plugin)
こんにちは、リースケと申します。
今回は『壁が崩れて現れるタイトル』をAfterEffectsで作ります。
何もない壁がいきなりガラガラと崩れ、そこから文字やロゴが浮かび上がる演出です。
コンポジションの中身を入れ替える事で、テキストやロゴなどに適用できますし、崩れる方向やスピードなど自由にカスタマイズできるのでぜひお試しください。
今回作成する順番はこちらです。
また、ボクのYouTubeチャンネルでも作り方を解説していますので併せてご覧ください。
テキストやロゴ用のコンポジションの作成
まず、新規コンポジションを作成します。
サイズ :1920×1080
フレーム :29.97fps
デュレーション :5秒
としました。
ボクは名前を『broken_title』としましたが、分かりやすい名前を付けてください。
これがメインのコンポジションとなり、最終的に書き出すものとなります。
まずはコンポジションの中に背景を配置します。
この素材によって今回の演出の良し悪しが左右されるので、なるべくカッコいい素材を用意してください。
岩、石、コンクリート系が見栄えが良くなると思います。
ちなみにボクのBOOTHのお店でも今回の演出に使えるテクスチャをお配りしていますのでよかったらお試しください。
配置した背景を後から使いまわせるように、
まずはプリコンポーズします。
設定を下の、すべての属性を新規コンポジションに移動にチェックを入れOKを押します。
名前は『bg_edit』(背景の調整)としておきます。
次はテキストレイヤーを作成します。
少し大きめに作り、中央に配置します。
色はあとから調整するので何色でも構いません。
あとから素材を入れ替えられるよう、まずはこちらをプリコンポーズします。
名前は『title_edit』とし設定は下の、すべての属性を新規コンポジションに移動としておきます。
ヒビの作成と下準備
今作った『title_edit』をダブルクリックで開き、ヒビを追加します。
ヒビっぽく見えるものであれば何でも構いませんし、無くても大丈夫なのですが、見た目のリアルさを追求する場合には必須です。
こちらの素材も自作したので、BOOTHのボクのお店に置いておきます。
よろしければお試しください。
ちなみにヒビの画像は画面いっぱい(1920×1080)に作ったので、マスクで範囲を指定するなどしてお使いください。
この意味は動画を見ていただければご理解いただけると思います。
次にこのコンポジションに調整レイヤーを作ります。
その調整レイヤーにエフェクト→描画から塗りを追加します。
色はとりあえずグレー(大体B50%くらい)とします。
調整レイヤーに入れた描画の働きにより、タイトル、ヒビともにグレイとなりました。
この調整レイヤーの名前を、あとから分かりやすいように『color_edit』と変えておくのも良いと思います。
もうひとつ調整レイヤーを作り名前を『edge』とします。
ここへエフェクト→スタイライズからラフエッジを適用します。
これはタイトルを少しギザギザに見せるために使います。
☆ラフエッジ
線 :3くらい
スケール :20くらい
コンポジションの並び順は上から、
①color_edit
②ヒビの素材
③edge
④テキストレイヤー
とすると良いかもです。
メインコンプに戻り大体の仕上がりを想像してみます。
背景色がイマイチパッとしないと感じた場合は、『bg』へ調整レイヤーを追加し、エフェクトのカラー補正からトーンカーブを適用し色の調整をしてみてください。
メインコンプへ戻り、『title_edit』のモードを乗算へ変更します。
これからこのタイトルに対し立体感を追加します。
『title_edit』を選択した状態でレイヤーのレイヤースタイルからシャドウ(内側)を追加します。
☆シャドウ(内側)
角度 :90°
距離 :3〜5くらい(動画では3)
サイズ :3〜5くらい(動画では4)
もうひとつレイヤースタイルを追加します。
レイヤースタイルからベベルとエンボスを追加します。
☆ベベルとエンボス
スタイル :ベベル(外側)
方向 :下へ
サイズ :2〜5くらい(動画では2)
崩れる壁の作成
次に崩れる壁を作成します。
『bg_edit』を複製し、上のレイヤーをプリコンポーズします。
名前は『shatter_edit』(砕け散る破片を調整)とし、設定はすべての属性を新規コンポジションに移動とします。
『shatter_edit』をダブルクリックで開き、1番上へプロジェクトパネルから『title_edit』を持ってきて配置します。
『bg_edit』を選択し、トラックマットを『title_edit』へ指定します。その際アルファマットにしてください。
ここまでできたらふたつのレイヤーを選択し、プリコンポーズします。
名前は『wall』としました。
この『wall』に対し、エフェクトのシャターを適用します。
☆シャター
表示 :レンダリング
シェイプのパターン :ガラス
繰り返し :60くらい(数値を上げると破片が細かくなります)
押し出す深さ :0.1〜0.2くらい(今回は壁が剥がれてロゴが現れるという演習上、破片は少し薄い方が良い気がします)
シャターのフォース1
位置 :崩し始めの場所 :画面外から始まり、画面を横切る動きが望ましい
(動画ではXが-300からスタートし、3秒かけて2200まで横切るようにキーフレームを打っています)
深度 :0.05
半径 :0.20
強度 :0.50(上げ過ぎると破片が飛び散りすぎてリアルさが無くなります)
物理的性質
回転速度 :1.00
ランダム度 :1.00
ここで、シャターのレンダリングをすべて→かけらに変更すると、崩れた欠片のみが表示されます。
メインコンプへ戻り、今調整した『shatter_edit』を1番上へ配置します。
プロジェクトパネルの『shatter_edit』を複製し、少しだけ調整します。
その際、名前を分かりやすいように『shatter_inversion_edit』(シャターの反転を調整)と変更します。
シャターのフォース1
強度 :0.00
物理的性質
すべて0.00へ変更
すると、逆にタイトルが現れる表現となります。
ここでメインのコンプへ戻り、『title_edit』をプリコンポーズします。
その際の設定は、上のすべての属性を『broken_logo』に残すを選択し、先ほど調整したレイヤースタイル(シャドウとベベル)をこのコンポジションに残しておきます。
名前は分かりやすいように『title_appear』(タイトルが現れる)としました。
『title_appear』を開き、『shatter_inversion_edit』を上のレイヤーへ配置します。
そして『title_edit』のトラックマットに『shatter_inversion_edit』を指定します。その際アルファマットにしてください。
メインコンプで映像を確認してください。
うまく動作しているでしょうか。
破片の影とライトの調整
次によりリアルさを出すため、破片に影を追加します。
『shatter_edit』を複製し、下のレイヤーの名前を『shatter_shadow』としておきます。
そしてエフェクトの描画から塗りを適用します
カラーを黒に変更します。
次にエフェクトのブラー&シャープからCC Radial Blurを適用します。
Type :Fading Zoom
Amount :3〜5くらい(動画では3にしました)
Center :お好みで影の見え方を調整してください(動画では960.0,-1000.0とかなり上の方にしました)
影はこれだけで十分ですが、さらに作り込んでも良いと思います。
例えばこの『shatter_shadow』を複製し、それぞれ『shatter_shadow_top』『shatter_bottom』とします。
破片に近い影は色が濃く長さが短いはずなので、例えばtopのAmountを3、不透明度を80%にします。
bottomは破片から離れているのでその逆で、Amountを10、不透明度を50%にします。
それによってまた見え方も変わってくるはずです。
『shatter_edit』の中の『wall』のシャターでも見え方を調整できます。
照明のライトを離れたソース→最初のコンポジションライトに変更し、このコンポジションに対して新規ライトを追加します。
ライトの種類をポイントライトにし、とりあえず強度を100%にします。
上から照らされるように見せたいので、ボクはY軸を90.0くらいまで上げてみました。
ライトを追加する場合は素材により調整してみてください。
ライトを追加することにより、シャターで飛んだ破片がライトに照らされリアルさが増すと思います。(飛んだ瞬間少し照らされる感じです)
シャター→照明のアンビエントライトにより全体をほんのり明るくすることも可能です。
ライトを調整することで、破片が剥がれ落ちた際の見え方が変わるので、素材ごとに試してみるのも良いかと思います。
(動画ではアンビエントライトを0.40にしています)
細かな破片の作成
次にもう少し細かい破片を追加します。
プロジェクトパネル上で『shatter_edit』を複製し、名前を『shatter_s_edit』としておきます。
ダブルクリックで開き、少し調整します。
まず、レイヤー上のライトを削除しシャターの設定の照明→コンポジションライトから離れたソースへ切り替えます。
次にシェイプの中の繰り返しを100〜200くらいにします。(動画では150にしました)
押し出す深さは少し薄くします。(動画では0.03にしました)
細かい破片は勢いよく飛ぶはずなので、フォース1の強度も1〜1.5くらいに上げます。(動画では1.2にしました)
このままでは破片の量が多くなり不自然なので、細かな破片の量を制限します。
エフェクト→マットからチョークを適用します。
☆チョーク
チョークマット :5〜10くらい(動画では5にしました)
シャターを切ると分かるのですが、タイトルが少し小さく表示されたと思います。
次にチャンネルから反転を適用します。
☆反転
チャンネル :アルファ
さらにチャンネルからマット設定を適用します。
☆マット設定
マットを伸縮してフィットさせる、のチェックを外します
この状態で、1番上のシャターを1番下へ配置します。
ある程度できたら、メインコンプの『shatter_edit』の下へ配置します。
仕上げ
仕上げに『shatter_edit』『shatter_s_edit』へエフェクト→時間からCC Force Mosion Blurを適用します。
これで破片が勢いよく飛び散る様子を演出できます。
設定はそのままで大丈夫だと思います。
まとめ
コンポジションの『title_edit』の中身を入れ替え、簡単に他の文言やロゴに置き換えられますし、『bg_edit』で背景その他デザイン全般が置き換えられます。
shatterと名前が付いているコンポジションそれぞれのフォース1の位置のキーフレームを変えることで、破片の開始、終了位置、破片が飛び散る時間も自在に変えられます。
また、光の当たり方を調整したり、スモークなど足してみて色々とアレンジしてみてください。
今回は『壁が崩れて現れるタイトル』を作ってみました。
また、気に入っている演出をボクなりのアレンジも加えつつお伝えできればと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。