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3Dプリンタでウォンバットをつくる(1)
自己紹介
こんにちは、夫婦二人で活動している(ほぼ妻の活動)STUDIO OTOMARUの夫の方です。普段は3D-CADを使った機械設計や電子工作をしています。
今回は大好きなウォンバットの理解を深める方法として立体にしてみます。
具体的には3Dソフトを使ってウォンバットの立体データを作り、3Dプリンタで出力してオリジナルフィギュア化します。
家に飾れるクオリティーの作品ができるように頑張ります。
ちなみにここではベアノーズドウォンバットをモデルにしています。
ウォンバットを間近で観察する
今回、参考にするのは大阪府池田市にある五月山動物園のウォンバットたちです。
2023年の12月に夜行バスに乗って夫婦二人で五月山動物園にウォンバット観察に行ってきました。その時の情報をもとにモデリングします。
実はウォンバットに会うため、長野とケアンズを訪問していますが、平均18時間ほど寝るウォンバットが動いている状態を観察することは難しく、ケアンズではウォンバットに餌やり&タッチも体験しましたが、初めてのタッチに興奮して形状の観察をしている余裕はなく、見て触ったのによく覚えていないという状況でした。そこで、五月山動物園に行ってじっくりと観察することにしました。
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五月山動物園のウォンバットは
・個体数が多い
・活発で動いている時間が長い
・展示スペースが見やすい
・展示資料が多い
この4点からウォンバット観察にとても良い環境になっています。
(また、高解像度のライブカメラがあるので、家に帰ってからおさらいができるのも嬉しいポイントです。)
加えて、入場料が無料なのはすごいことだと思います。(ウォンバットをはじめ、他の動物たちの飼育環境維持のために募金も募っています。)
ちなみに妻は池田市にふるさと納税をしたそうです。
動物のモデリングをするのは初めてです。とりあえず、有機的な形状をモデリングしやすいblenderというソフトを使うことにしました。
一旦カタチにしてみる
五月山動物園に行く前にまず、予習をかねてウォンバット中身を調べて立体化してみようと思います。事前に立体化したイマジナリーウォンバットを手元に動物園を訪問し、実際のウォンバットとの違いを自分の3Dデータと比較して修正することにしました。早速、インターネットからさまざまな資料を集めて、想像のウォンバットを3Dデータにしてみます。
ウォンバットの中身を知る
私が動物(ウォンバット)好きになったのは、つい最近のことで動物全般を全く知らない人間です。立体化どころか絵も描くことができません。なので、まずはウォンバットを形作るフレーム=骨格から勉強することにしました。
骨格はこちらのサイトを参考にしました。
Sketchfab 3Dデータの共有サイト
Evans EvoMorph Lab データの作成元
こちらのデータはぐりぐり回して骨格を詳細に観察することができます。
肩にある襟のような形状の特徴的な骨や、ウォンバットの特徴である後ろ姿の元になる骨の配置を知ることができてとても勉強になりました。
当然ですが、これに肉がつくので骨格をトレースしても普段見るウォンバットにはなりません。骨(芯)がこんな感じなのかぁ、、、と自分の中で咀嚼しつつ、次に肉がついた状態の資料を見てみます。
肉がついた資料を探してみます。ですが、、丸刈り状態の写真など見つからず、、、毛がフサフサの写真しか見つけられません。仕方がないので3DCGのサイトを見てまわり、毛のテクスチャが付く前のモデルデータを肉として捉えてみることにします。
ケアンズでタッチした際もモフモフというより刷毛のようなしっかりした毛が身体をびっしり覆っている印象でした。もし丸刈りにしても、形状は大きく違わないのではないかと考えました。
何個か参考モデルをピックアップしたら、いざblenderでモデリングをしてみます!
うーん、違う、、
モデリングは毛がついた状態(外形)を作ることにします。肉付きについての資料が無いのと、blenderに不慣れなので肉にどうやって毛を生やしたら良いか、全く方針を立てられなかったからです。
まず、作ってみる
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とりあえず、顔は置いておいて、、
・前足がなんか変な生え方
・おしりが飛行船のようなカタチ
なんか色々違います。
ちょっと直してみる
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一回、出力してみる
ポリゴンを平滑にする処理をかけて、3Dプリンタで出力します。
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上の画像は五月山動物園で形状も特徴を書き込んだ状態のものです。
白いフィラメントで出力したので元々は真っ白でした。
五月山動物園に行きます!
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動物園を訪問してまじまじとウォンバットたちを観察してわかった事は、、
「今の形状は全然違う」ということでした。
早速帰りの新幹線で作り直します。
1から作り直す
まずは骨格のイメージに当てはめる
まず、撮影した動画から姿勢がわかりやすいコマを切り出して、最初に調べた骨格データを見ながら骨の配置を想像します。
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このイメージを元にblenderでサクッと外形をとってみます。
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足の形状は置いておいて、体の肉付きの印象は前よりは良くなりました。
姿勢も修正する
今までのモデルは顔を上げすぎていました。
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お尻の感じもなおします。
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顔もつけてみます。
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ざっくりと爪をつける
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現状のウォンバット
完成には程遠いですが、現在はこのような状態になりました。
これに毛並みをつけたりまだまだ、やることは山積みです。
(毛並みを出力してからリューターで彫るのもありですが、できればデータ上でつけたい気持ちもあります。どうやって実現するかを目下調査中です。)
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第二弾に続く
3Dプリンタでウォンバットをつくる(2)は作業が進み次第公開予定です!
追記:第二弾を公開しました!