はじまりのはなし…拘束感⑤
「私が光の粒だった頃…決して自由ではありませんでした。
手も足もございませんから…動く事も容易ではありませんし、コロコロと転がる事は出来ますが、永遠に広がる真っ暗な空間には、距離も時間もないのですから、全く意味を持ちませんでした。
まるで小さな籠の中で滑車を回すハムスターのように、何処にも行く事は許されませんでした。
見渡す限り暗闇なのですから、何かを選び出そうにも、その物質自体がなく、全てが空なのであり、選択肢の矛先にはそのまま空が鎮座し続けるのです。
私は掴み所もなく、宙