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#04「本当の美」(第2話:知識の薮をかき分けて)

WONDER ORDER(あるいはORDER WONDER)では、マンガ・リフレクションを通して、なぜか気になる対象(ワンダー:不思議)について考え、そこにある本質(オーダー:秩序)を少しでも理解しようと思索を進めていきます。どこに向かうかわからない漫(そぞ)ろな足取りになりがちですが、The Sense of Wow!der の心持ちで、学習と創造のプロセスを楽しみ、記録していきます。

第4回は、第3回に引き続き「本当の美」について考えるために、クリストファー・アレグザンダーの思索をたずねます。「知識の藪=世界観」に目を向けることが大事だと言われても、どうやって自分が属する世界観を意識できるのでしょうか。アレグザンダーの考え方がヒントになります。一緒に面白がっていただけたら、嬉しいです。

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お読みいただき、ありがとうございます。

第2話を描きはじめる時、今回のゴールは、アレグザンダーが理想とする「人の顔に浮かぶ『笑み』のような建物が建てたいのです」(スティーブン・グラボー、吉田郎+長塚正美+辰野智子 訳『クリストファー・アレグザンダー』、p.28)という視点に、このマンガが辿りつくことでした。

制作のなかで、やはりアレグザンダーの思想をちゃんと伝えたい(理解したい)し、彼が近代建築の巨匠を無碍に批判しているわけではないことが伝わるようにしたいなと思いました。

わたし自身も、バックミンスター・フラーやコルビジェは好きで、影響も受けてきました。マンガを描くことを機に、コルビジェの本『輝く都市』や『ユルバニスム』などを読みましたが、やっぱりすごいなと思います。彼らの思想も素晴らしいし、実践もすごい。一方で、私自身も抱える矛盾というか、ある種の思想を明確に重視した結果として、見えなくなるものもある、という事を感じるのも事実です。

そういう視点を、アレグザンダーは提供してくれます
しかも、アレグザンダーは、驚くほど、妥協を許さない。常に自身の感覚や実践の結果を疑い続け、葛藤の末に、どうやら自分の生み出した理論は信じざるを得ないのではないか…という境地に至った人なのです。

…ここまで描いて、いよいよ次回からは、「本当の美」とは何かの核心と向き合う展開になってきたなと感じます。とてもワクワクしています。


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