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50代脱サラフリーランス 思ってたのと違ったこと


はじめに

ないものねだりとか、隣の芝生は青く見えるとか、人間の欲にはキリがないですよね。

僕は2022年12月に50代で長年勤めた会社を早期退職し、作編曲家・音楽講師・YouTuberなどとしてフリーランスになりました。昨年2024が終わってちょうど2期目が終了しました。

不安でいっぱい、無我夢中だった1期目と違って2期目は軌道に乗ったと言っていいと思うのですが、その中で僕なりの人生における気づきが色々あったのでシェアしてみたいと思います。

人と違う生き方をする代償

この2期目を振り返ると、仕事は軌道に乗って生活も安定し、不安は少なくなったはずなんですがそれと同時に強い孤独を感じることが多くなりました。

これ、よくよく深く考えてみると生き方が原因だと気づきました

僕は冒頭申し上げた通り50代で会社員をやめ、趣味だったDTMを活かして作編曲家・音楽講師になりました。これは正直、普通のキャリア、生き方ではないと思います。常識的に考えて、30年も会社勤めしてきた普通のサラリーマンがいきなり独立して音楽で食べていける、というのは考えにくいことです。
でもそういう、人と違う生き方こそ僕が目指したものだし、そういうのを目指す自分が好きなんですよね。そしてそれにチャレンジした結果ある程度実現することができた。そのことには満足しています。

だけどそれを追求した結果、気づいたら周囲には僕と同じ生き方をしている人は誰もいなくなり、その結果僕は孤独になったんだと思うんです。よく考えたら当たり前なんです。

もちろんフリーランス仲間とか音楽仲間とか、そういう人たちはいるんですけど、みんな僕と同じ生き方ではないんですよね。これはもしかすると、僕が長年会社員だったから感じることかもしれないです。

ふとした平日の昼間、元いた会社の社員たちが今でもワイワイやっているのかと思うと急に寂しくなって強い孤独感を感じることがあります。だからと言って会社に戻りたいかというとそれは絶対嫌なんです。だからまぁ贅沢な悩みです。これを元会社の人に話すと「それはないものねだりですよ」と笑われるんです。まぁそうですよね。

でも、多分みんなが思うよりこの孤独感って強いです。

どれくらい強いかというと、この生き方は孤独に強いタイプの人じゃないと心を病むかもしれない、と思ったりするくらいです。

だから、妻がいてくれることは僕にとって本当に大切なことだと心の底から思います。もし僕が今独身でこの生活をすると想像したら、ちょっと辛いかもしれません。

思い描いた生活のはずなのに

1期目は時間が自由になることが嬉しくて、平日に山や海に行ったりゴルフに行ったり、温泉とかキャンプとか映画とか、会社員時代にはできなかったことをやって満足したりしていました。その代わり収入は少なかったので、コンビニ禁止、外食禁止、みたいな節約生活を楽しむような部分がありました。

でも、2期目は忙しくなったこともあって自宅スタジオから離れられない日が多くなりました。毎週2曲、3曲という納品が続くと当たり前ですけど遊びに行ってる時間なんか無くなるんですよね。

仕事は充実して収入が増えたけど、自由な時間は少なくなった。コンビニとか外食で食事を済ませることも多くなった。なんだか会社員時代の生活に近づているような気がして時々「あれ?」と思うこともあります。

それでも冷静に考えればもちろん会社員時代より遥に自由な生活を楽しんでいます。朝食は自分で作っていますし、朝食後の散歩も毎日しています。週に一回ジムに通い、カフェで原稿を書くなんて時間もある。

つまりこれは思い描いた生活なんです。

でも、フリーランスになるときに思い描いた生活を手に入れたらそれがゴールかというと、そこに辿り着いたらまた違う欲が出てくる。人って本当に欲深いと思います。

大好きなことを仕事にしたけど

僕の仕事は作編曲家、DTM講師ということで基本的には人様のために曲を作ったり、アドバイスをしたりする仕事です。そういう仕事がやりたかったので、それで生きていけることは本当に嬉しくてありがたくて、感謝の気持ちでいっぱいです。

会社員時代は、ずっと大好きなDTMができたらどんなに幸せだろうと思っていました。そして僕はそれを実現したんです。
でも実際にそういう生活を手に入れると人間って贅沢なもので、人様の曲だけじゃなくて「自分の曲も作りたい」という欲がムクムクと湧いてきて抑えられなくなってきました。

なんならDTMを仕事にせず自由に自分の曲を作っている人が「羨ましい」という気持ちが湧いてきたりして自分でも驚きました。

そう思うなら実現しよう、ということで実際に今二人組の音楽ユニットを作って活動する準備を進めています。その分制作受託に使える時間が削られるので収入は減るんですけど、やりたいことを我慢しないためにフリーランスになったことを思い出して、トライしています。

作編曲家・音楽講師というようなポジションの人が自身のアーティスト活動をしてもほとんど成功しない、というのはよくわかっていますが、トライすることが楽しいので今のところは結果や採算を考えずにやっちゃおうと思っています。

このように人間て欲深いもので、何かを手に入れると今度はその質を問い始める。足るを知ることが大事だとわかっていますが、そういう自分になるのはなかなか簡単ではないと実感しています。

まとめ

ここまでの文章をご覧になって僕が会社員をやめてフリーランスになったことを後悔しているように感じた方もいらっしゃったかもしれませんが、そうではないんです。

だって、会社員に戻れと言われたら全力で拒否したいと思う自分がいます。ということは、僕は今の生活の方が断然好きなんですよね。

つまりこの現状って、当初目標にしていたことが実現できたから、「もっと」という気持ちが出てきた、ということなんでしょうね。ないものねだりとか、隣の芝生は青く見えるとか、人間の欲にはキリがないですよね。

思い描いた生活を手に入れて、それで満足するかというとそうでもないのが人間という生き物らしいです。厄介ですがそういう自分と付き合っていくしかないと思うので、欲が暴走しないよう自分をコントロールしていきたいと思っています。

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