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DTMで在宅フリーランスになると起きること 2
皆さんこんにちは、ケイです。
みなさんDTMしてますか?
前回に引き続き50代で会社員をやめて趣味のDTM(パソコンを使った音楽制作)でフリーランスになってしまった僕が、フリーランスになると起きること6点のうち、前回は3点をご紹介しました。今回は残り3点をシェアしてみようと思います。
ネットでの制作受託は思ったようには儲からない
趣味でやっていた時と一番違うのは、仕事なので売り上げや利益を考えなければならないことです。
そして、そのために大切なのは値付けなんですが、、、
もちろんフリーランスだから決断は自由なので、俺の作曲には10万円の価値がある!わかる人はわかってくれるはずだ、と思うなら10万円と値付けするのは自由です。でも僕のような趣味が転じたようなフリーランス音楽制作家がネット上で一曲10万円で作曲サービスを提供しても売れる確率は限りなく0に近いでしょう。
これって結局、お客さまは出来上がるであろう音楽の価値を、ネット上の他のサービス提供者と比べながら測っているからですよね。別の言い方をすると、よほど有名な人でなければそのサービスの価値は納品される音楽にあるのであって、製作者にはないということです。だから、価格は相場から大きく離れられない。価格は自分では決められないということ。
これ、頭ではわかってはいるんですけど、、、
ええ!?こんなに苦労して作ってもこの価格!?
と思うんですよね。でも実績がつくまでは、そのジャンルの最低価格を参考にして値決めし、実績をつけながら少しづつ値上げしていくのがいいと思います。
フリーランスであっても、むしろそうであればこそ、お客さま側からの目線で自分の価値を冷静に客観視できることは大切だと思います。
DTMの制作受託で稼ぐには桁違いの制作スピードが必要になる
これも趣味でやっていた時との大きな違いですが、制作の受託では制作スピードが速くないと全然稼げません。
例えば皆さんがココナラで誰かにカラオケ音源の制作を頼もうと思ったら、価格はいくらくらいをイメージしますか?イメージするのは1万円くらいじゃないですかね?
一方で、カラオケ音源をDAWでイチから作ることを想像してみるとどうでしょう?多くの方は頑張ったって丸一日はかかるイメージではないですかね?
仮に丸一日朝から晩までかければ作れるとしましょう。朝9時から夜の9時まで、お昼休みを1時間挟むと作業時間は11時間です。11時間かけて売り上げが1万円、ココナラに手数料を22%持っていかれたら7千8百円です。これ、時給に換算したら709円、バイト代の全国平均値にもまったく届きませんよね。
しかもフリーランスの場合はこれは売り上げであって、経費をここから引かないと利益は確定しません。しかもその利益に税金がかかります。また、住民税、国民健康保険、国民年金みたいなものは会社員時代は天引きされていましたが、フリーランスにはある突然日請求書が送られてきて、その金額に目が飛び出そうになるわけです。
じゃぁ値上げすればいいじゃん?
と思いますよね。でも冒頭の話を思い出してください。そう・・・価格はお客様が決めるんです。言い換えれば価格は自分でコントロールできるももののじゃないってこと。
冒頭申し上げたように、有名で実績がすごいとか、他の人には絶対真似できないすごい曲が書けるとか、そういう方は別です。
しかし僕のように普通のDTMerにはそんな武器はないです。
そうなるとこう考える方もいらっしゃるのではないでしょうか、作業スピードを2倍、3倍にできるよう技術を磨けばいいんじゃないかと。
もちろん最初は僕もそう考えてどうやったらスピードを速くできるか研究して、一応3倍くらいにはなったのですが、、、
でも、それって全然楽しくない!
そう、楽しくないんです。なんだか曲作りが事務作業処理みたいになって、必死にたくさんこなしていく。
あれ、DTMってこんなに必死にやるもんだっけ?これって自分がなりたかったフリーランス像なのか?そしてふと思いました、、、
こんな毎日が続くならDTMが嫌いになりそう・・・
そう思って、これは自分が求めていたフリーランス像ではない、と判断したのでこういうやり方で必死に稼ぐことはやめました。
僕は、ココナラはDTMで副業をされる方にはぴったりだと思います。お小遣い程度の収入でいいならおすすめです。でも、これだけで生計を立てていくには単価が安すぎる、というのが私の最終的な結論でした。
それでも制作受託を続けているのはなぜか?
ココナラでお受けする量を少し抑制して他のビジネスにリソースを回そうと思った僕は、サービスの値上げを決行しました。同時に、値引きしてご要望の価格に合わせることもやめました。
その結果どうなったかというと、低価格で提供していた分野のご依頼は減り、比較的単価の高いサービスのご依頼だけが残りました。件数が減った分のリソースを別のサービスに振り向けられるようになったので、僕としては狙い通りの結果だったと思っています。
なぜそれでも僕が制作受託を続けているかというと、まず単純に曲を納品したとき喜んでもらえるのが嬉しいからです。誰かの役に立てた実感が得られる、これは在宅フリーランスにとって本当に嬉しいことです。
それと同じくらいに感じているメリットは受託制作は自分を成長させる、ということです。
ココナラでいろんな方からのご依頼をお受けしていると、当然ですが僕の世代とは全く違う世代の楽曲や、自分では絶対作らないタイプの楽曲のご依頼を受けることがあったり、今若いみなさんの間でどんな音楽が流行っているか、それはどうやって作るのか、を試行錯誤しながら学ぶことができます。
例えば僕が作り慣れないEDMっぽい曲のご依頼が来ると最初の頃は、、、
うわ、こんな曲自分に作れるだろうか!?
と思って身構えたりしましたが、チャレンジと思って作ってみると実はそんなに難しくなかったりする。
作り上げて納品するとそのジャンルの音楽制作スキルが身に付く。
身につくと、不思議にそのジャンルの音楽が好きになる。
なんか、大学生の頃まで大根が嫌いだったのに、美味しんぼ読んでたら急に食べたくなって食べてみたら美味しくて克服したことを思い出しました。そう、食わず嫌いってやつですね。ん、違うかな(笑)
という感じで、僕のDTMフリーランス生活はこんな感じで始まりました。
今後は生活面で会社員時代と変わったことなどもお話ししてみますね。