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秘めた力の出し方

静岡で古武術の勉強をしていたころ、お師匠さんから教わった技の一つ。筋肉の伸筋と屈筋を同時に使うことで、秘められた強い力を発揮できる方法。それについてふと思い出した。

伸筋と屈筋。伸ばす力と縮める力。それを同時に使うなんてなんだか矛盾しているように思える。

例えば腕をまっすぐ伸ばしてしっかり拳を握る。その状態で腕を上から押さえられると、当然腕は下に落とされる。

しかし伸筋と屈筋を同時に使う特殊な手の形にすると、上から押さえられても耐えられる。全体重を乗せて全力で押さえられたら耐えられないが、ただ拳を握った時よりも圧に耐えることが出来る。

はじめそれを見せられたとき、ほんまかいなと思ってやってみたらホントだった。ただ手の形を変えただけで、人間の体の作用は変わるものなのだと体感した。

伸筋と屈筋、伸ばす力と縮める力。腕を伸ばすと肘の内側の筋肉は伸びて(伸筋)肘の外側の筋肉は縮む(屈筋)。筋肉はそうやって伸ばすと縮めるを交互に行って動く。

それを同時にやる。ひとつの腕で同時にやる。すると普段は出せない強い力が出る。これを他のことに置き換えるとどうなるだろう。

イメージとしては
伸ばす=広がり、開く、前進、上昇
縮める=狭まる、閉じる、後退、固まる
自分としてはこんな感じに思う。

この二つを同時に行う。例えば仕事においていえば、フリーランスで働いていると一人で様々なことをやる必要が出てくる。メインの作業だけでなくその他の雑務もすべて自分。特に面倒なのが確定申告だろうか。

メイン作業を行う時間を雑務で消費してしまう。フリーランスなのだから当たり前かもしれないが、それでは強い力を発揮できない。

なので伸ばすところと、縮めるところを分けて同時にやる。やるべきところに注力してやらないところは徹底的にやらない。つまり、自分がやらなくてよい部分は他に任せてしまう。そして自分がやるべきところに全力を注ぐ。

伸ばす、縮める。同時にやることを他に例えて言うならこういう感じだろうか。
先人の教えというのは、他の何かに例えて表現してみるといろんなことに応用がきくのだなあと思った。

(写真:当時お師匠さんに見せていただいた骨格標本。なんでも大昔の罪人の骨から型をとって作ったものらしい。ほんとかな?)


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