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京都の婉曲表現から学ぶ、今どきのコミュニケーション術【今日の余録】
余録で紹介されている「ぶぶ漬け」の言い回しは、落語がもとで広まったそうだ。
京都人の話だと、「ぶぶ漬けでも~」は「帰ってください」を意味しないという。本来は「大したお構いはできないけれど、せめてぶぶ漬けでも食べてゆっくりしていってください」という、純粋なもてなしの言葉らしい。そもそも、「ぶぶ漬け」を嫌味として使うことはなく、夕ご飯のシメや夜食として出されるのが一般的。京都の独特な文化を象徴する言い回しではあるが、現代で使われることはほとんどないらしい。
とはいえ、京都に独特な言い回しが存在するのは事実。
調べてみると、京都独特の言い回しには以下のようなものが挙げられている。
「おおきに」→お断りします
「よろしいなぁ」→どうでもいい
「かんにんして」→もう堪えられない、いい加減にして
「いけずな人やなぁ」→(軽い嫌味を込めて)あなたは意地悪です
「よういわんわぁ」→怒りや呆れを表現
あえて遠回しに言うのは、京都の歴史も影響してそうだ。
千年以上の都として栄えた京都。貴族を中心に繁栄した京都で育まれた言葉は、時に遠回しで、時に含みを持たせる。しかし、それは決して相手を拒絶するためではない。むしろ、互いを思いやる気持ちの表れ。これが京都の婉曲な言い回しの真実なのだろう。
言葉の表面的な意味よりも、その場の雰囲気や関係性の中で真意を読み取る。それは、人と人とが分かり合おうとする時に必要な心遣い。これは、現代のSNSにおけるコミュニケーションにも通じるのではないか。京都流の会話術、実は今の時代にこそ必要なスキルなのかもと思い始めた。