見出し画像

カネゴンと怒る親と経済評論家【今日の余録】

森永卓郎さんが帰国子女だったことに驚いた今日の余録🙃
テレビで政治や経済の話題でよく見かける人としては知っていたけど、どういう人なのかはそういえば知らなかったな、と。

森永さんの訃報に接し、改めて自分とお金の関係についていろいろ考えた。

経済評論家という肩書を持つ人々を、胡散臭うさんくさと感じさせる風潮が、かつてはあったと思っている。それは、義務教育でお金に関する正しい知識を学ぶ機会がなく、周囲の大人たちが「お金の話」をタブー視する雰囲気を醸成していたことと無関係ではないはずだ。

「お金お金と言っているとカネゴンになっちゃうぞ」―。森永さんが人生最初の教訓として挙げた『ウルトラQ』のこのセリフは、まさに日本人の金銭感覚を端的に表している。しかし実際には「お金がなければ生きていけない」という現実がある。その矛盾に、子供心に違和感を覚えていた。

両親は「世の中お金だけじゃない」と諭すタイプというより、どちらかといえばお金の話は毛嫌いするタイプ。父は、小さいながらも会社経営をしていた身なのに、お金の話になるとだんまりを決め込む。せめて会社経営の実態や仕事での収益の仕組みくらいは教えてほしかったのだけど。
まだ分別のきかない小学生だったからかもしれないが、聞くと怒られるので、それ以降聞かなくなった。

その影響からか、大学時代の進路選択では「人の役に立つ仕事」を基準にしながらも、経済的な視点を意図的に遠ざけてしまった。今となってはそれが大きな選択ミス……いや選択ミスは言い過ぎかもしれないが、僕の人生の中で重要な分岐点の一つだったことは間違いない。家族の意向に沿うようにとか、世間ずれしないようにとか、まわりに合わせることばかり考えて守りに入っていた自分。今では苦々しく振り返ることがある。

そういえば、経済評論家の山崎元さんも、昨年の1月に65歳で亡くなった。山崎さんがご子息に宛てて書いた『経済評論家の父から息子への手紙』を最近読んだばかり。学生時代にこういう話を知る機会、作れていればなと思ったりした。

森永さんも山崎さんも、決して「お金至上主義」ではなく、より良い人生のための経済的知恵を共有してくれていたことが、今になって理解できる。森永さんの「自由な時間を余裕を持って楽しめる生活を」という言葉。
改めて深い共感を覚える。ほんとそれ🙂

今日の余録と参考資料

いいなと思ったら応援しよう!