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展示会 ご報告 その3

 あらかわ地域活動サロンふらっと.フラットが主催し、studio fukuが展示協力いたしました「からだが不自由でもおしゃれを楽しもう!」展が終わりました。
 いまの私の精一杯を展示に込めてみました。もし次に機会があれば、さらに新しい情報をご提供できるようにしたいなと思っています。その日を目指して、これからもコツコツとお客様やお洋服と向き合おうと、日常に戻ったところです。

 さて、今回は「見に行こう!既製品のリフォーム」のコーナーについてご報告いたします。

 このコーナーの一番人気は「Tシャツを前あきにする」リフォームでした。

before

これが、

after

 こうなる!
というのが新鮮な驚きだったようです。シンプルでベーシックな紺色のカットソーに、水色の水玉模様の生地を合わせたのも印象的だったようです。
「これが、こうなるのね〜!」と同じ言葉を何度もかけていただき、私も(そうか、これがこんなに驚きなのか)と知りました。

 同様に、Tシャツを被りやすくするために、切り替えに沿って開きをつくるリフォームも注目を集めました。

首元の切り替えに開きをつくる

 開きは、ファスナーでもマジックテープでも、ご本人やご家族のご希望に合わせてアレンジできます。(上がファスナー開き、下がマジックテープ開き)

 こちらの、身頃のゆとりを増やして脱ぎ着しやすくするリフォームも、見入っている方が多くいらっしゃいました。

青い部分が追加した「ゆとり」

 真っ白いTシャツに、リバティプリントにピンタックを施したものを「ゆとり」として追加しました。こちらも思い切った色使いが印象に残ったようです。

 リフォームをするときは「リフォームしたとわからないように目立たないように」するやり方もありますが、「手を加える部分をデザインのポイントに」という気持ちで色選びや素材選びを楽しむのも良いと思います。
 「開き」「ゆとり」という機能が必要だから行うリフォームですが、せっかくですから、デザインすることを楽しんで、「おしゃれでしょ」「素敵でしょ」って心が弾むような服が出来上がるといいですね。

 リフォームのコーナーでは、元気な方がご覧になって「いつか困ったときにはこうすればいいのね」と言ってくださいました。当初は「いま困っている人のために」と展示を企画しましたが、「いつかのために、あらかじめ知っておいていただく」ということも大切なのだな、と気付かされました。

 2週間の展示期間にたくさんの方にご来場いただき、いろいろなお話をし、たくさんのことに気付かされ、学ばせていただきました。本当に有難うございました。そして、主催のあらかわ地域活動サロンふらっと.フラットの皆様、ご関係者の皆様、会場の皆様、お世話になり有難うございました。

 なお、今回の展示内容を企画するにあたり、下記の3冊を参考にいたしました。いずれも、日頃からstudio fukuの活動を支えてくださる貴重な文献です。ここに心からの尊敬と感謝を込めて、ご紹介いたします。(発行順)

Clothing Designs for the Handicapped
Anne Kernaleguen 著
The University of Alberta Press 発行
1978
からだの不自由な人のおしゃれ
森 南海子 著/発行
1978
みんなにやさしい介護服
岩波 君代 著
文化出版局 発行

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