ポケットのひみつ
オーダー記録でご紹介した「ひざ掛け」には、裏地付きのパッチポケットがついています。
筋緊張などで手が動かしにくいことがある方でも、ポケットから出し入れしやすいように...と工夫したものです。
どんなポケット?
こちらがその見本です。
白い生地がひざ掛け本体、紫の柄生地がポケット、グレーの生地がポケット内部の裏地です。
ポケットに手を入れたとき、手の甲側も手のひら側も、滑らかさを感じられます。
裏地ってなに...?
コートやジャケットの裏、スカートやパンツの裏に、薄い生地がついていることがありますよね。これが「裏地」です。ポリエステルやキュプラで織られた、とても滑らかな生地です。
裏地にはいくつかの役割がありますが、今回は、そのひとつ、「すべりをよくして、動いたり脱ぎ着しやすい」という特徴に注目をして、ポケットに用いました。
裏地なしだと使いにくいの?
「ポケット入れたハンカチが出しやすいかどうか」を簡単なモデルを作って、実験してみました。
図のように、ポケットからハンカチを糸で引き出します。右側のポケットが「裏地なし」、左側のポケットが「裏地付き」です。
まず、裏地なしのほうで試してみます。
スムーズに引き出せず、しわができてしまいます。こんな感じでしたね。
この実験を繰り返していると、こんなふうに全く引き出せないこともありました。
ひざ掛けなら、ポケットが動いているだけで、中身は取り出せませんね。
ポケットとハンカチの摩擦が、取り出す動きを邪魔しているのでしょう。力の入れ方を変えたり、ハンカチの持ち方を変えたりすれば、取り出せるかもしれません。けれど、手が不自由だったら、それは簡単なことではないでしょう。
裏地をつけると...?
さて、では次は裏地つきのポケットをみてみましょう。
どうでしょう、スムーズに取り出せますね。裏地つきのポケットでは、何度実験を繰り返しても、ひっかっかったりシワができたりすることなく、スムーズに取り出すことができました。
実は、私もとても驚きました。「違いがでるかどうかわからないけれど、試しにやってみよう」と始めてみたときには、こんなに違うとは思っていなかったのです。
目の当たりにして、裏地をもっと活用しなくては!と思いました。
まとめ
すべりを良くする「裏地」を活用して、取り出しやすいポケットを作りましょう!
他にも、裏地を活用できる場面があるかもしれませんね。良いアイディアがあったら是非教えてください。私も探します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?